ニュースを読み解く

財政破綻なんてあり得ない!?日本の財政問題の現状について考える

 

 

皆さんは「日本は財政収支が大幅に赤字のため、財政破綻目前!」という話を聞いたことはありますか?これが本当だとしたら、私たちの生活に大きな危機が迫っていることになります。しかし、これって本当なのでしょうか?いいえ、そうとも言い切れません。そこで今回は日本の財政問題の状況とこれからの課題について考えていきたいと思います。少し難しい話になりますが、皆さんが資産形成や資産運用をする上でも現状認識を正確にしておくことは大事なことですのでぜひおつき合いください。

 

東洋経済オンラインの記事によると

2020年度までの財政健全化が将来を決める
「財政に関する長期推計」が示す数値目標

土居 丈朗 :慶應義塾大学 経済学部教授 2015年10月13日

10月9日に、財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会財政制度分科会が開催され、私も一委員として加わった同分科会の起草検討委員から、「我が国の財政に関する長期推計(改訂版)」を報告した。

この「長期推計」の1つの焦点は、2020年度の財政健全化目標の達成に向けた早期の収支改善努力がいかに重要であるかを、確認するものである。財政危機をあおるためでも、消費税率を10%超に引き上げることを今すぐ決めよと訴えようとしているわけでもない。

中長期的視野が必要な財政運営

ただ、2020年度までの取り組みだけで、わが国の財政が安泰であるとはとても言えない。政府債務残高がGDPの2倍以上に膨らみ、さらなる累増が見込まれる。政府債務残高がかさめば、財政破綻を免れられたとしても、巨額の利払い費を他の財政支出よりも優先して国民からの税金を使って支払わなければなららない。

だから、政府債務残高を対GDP比で見ていかに減らしていくかも、現時点から視野に入れて財政運営をしていかなければならない。このことは、政府部内でも意識されている。

安倍晋三内閣が今年6月に閣議決定した「経済・財政再生計画」では、「2020年度PB(基礎的財政収支)黒字化を実現することとし、そのため、PB赤字の対GDP比を縮小していく。また、債務残高の対GDP比を中長期的に着実に引き下げていく」と明記している。2020年度の基礎的財政収支黒字化という財政健全化目標もさることながら、2020年度以降についても、債務残高対GDP比を着実に引き下げることを視野に入れている。

全文を読む

 

[コメント]

財政破綻を債務残高対GDP比が発散(※1)することと捉えると、国債の新規発行を抑制して歳出削減と増税で2020年度までにプライマリーバランス(PB)(※2)黒字化しようという話になるわけですが、この方法では個人的には無理筋だと思っています。

というのは、端的に言えば経済環境が悪化する、消費や投資といった需要が減りデフレ(※3)に逆戻りし、経済がマイナス成長に陥るためです。

ここで問題を集約すると税収弾性値(※4)に帰結すると思います。

政府が提示している税収弾性値は1.1ですが、直近15年の単純平均は4。

本稿の筆者である土居氏は政府発表の税収弾性値1.1を支持されていますが、単純平均で測るには無理があるにしても1.1と4では乖離が大きすぎるので、一昨年の消費税増税(※5)によるマイナスの財政効果を勘案しても2〜3はあるのではないかというのが帰納的に捉えた場合のある程度現実的な線ではないでしょうか。

こう考えると正確に推計しているわけではないですが、冒頭に述べたような歳出削減と増税により財政健全化を意図するよりも、むしろ財政出動と減税によって経済成長を意図したほうがむしろ税収の増加が見込めるでしょう。

これが近々別の記事でコメントしていますが、金融緩和(※6)だけでは需要刺激に繋がりづらいので財政出動とセットで行う必要があるという根拠にもなっています。

やや感覚的で大雑把にすぎるところがありますが、財政健全化を題目にして経済成長をおざなりにすると逆効果になると思います。

もちろん経済成長だけでPB黒字化が達成できない可能性もありますが、その場合は歳出削減を経済成長に影響が出過ぎない程度に行えば良いのであって、増税はすべきでないことがここからもわかるのではないでしょうか。

また、経済成長優先の政府や日銀による経済政策運営が適切になされれば、少なくともこの日本で財政破綻になることは考えられないと言えます。

日本の財政問題の現状は厳しいものがあるのは事実ですが、課題をいかにクリアするかという問題であって、既に詰んでしまっているという類のものではありません。

皆さんはこの点を念頭に置いた上で、ここ日本での適切な方法を用いた資産形成(※7)に励んでいただければと思います。

※1 発散とは、無限に膨張すること。

※2 プライマリーバランス(PB)とは、国の財政収支において、借入金を除く税収などの歳入と過去の借入に対する元利払いを除いた歳出の差額のこと。これが収支差額0(これを均衡)を下回る(赤字)状態が永続すると、国の財政運営を国債等によって賄わざるを得なくなり、ゆくゆくは債務残高対GDP比の発散が起こってしまう可能性がある。

※3 デフレについては今さら聞けない物価、需要と供給、インフレとデフレの意味を参照のこと。

※4 税収弾性値とは、名目GDPが1%増加すると税収が何%増加するかの値のこと。

※5 消費税増税についてはメリットはある!?消費税増税が私たちの生活に与える影響【特集】を参照のこと。

※6 金融緩和については今さら聞けない!?アベノミクスとは?〜成功か失敗かを語るその前に〜を参照のこと。

※7 資産形成の適切な方法については資産形成の相談前に読んでおきたい記事5選【まとめ】を参照のこと。

 

【コメントした人】

IMG_0417

L!NX(リンクス)株式会社専務取締役/資産形成.com運営責任者 鈴木優一(プロフィール

「資産形成.com運営責任者の鈴木です。ここでは、経済・金融関連のニュースを私の所感を含めて取り上げさせていただきます。その他のニュースについてはNewsPicksでコメントしておりますので、そちらもご覧いただければ幸いです」

 

 

セミナー情報

11125590_1642562029306574_815304011_n

 

L!NX(リンクス)はみなさんの資産形成にお役に立てるため、定期的に無料のセミナー開催を行っております。

セミナー詳細はコチラ

 

個別相談のお申し込み

DSC_3707

 

全員が大手金融機関出身!

選りすぐりのL!NX(リンクス)講師陣に個別にご相談されたい方は下記よりご連絡ください。

個別相談のお申し込みはコチラ

 

現在、セミナーは無料、個別相談は有料(1回3,000円)とさせていただいております。

※ セミナー受講後の個別相談は初回に限り無料です。

 

【ご留意事項】
本セミナーでは、セミナーでご紹介する商品等の勧誘を行うことがあります。これらの商品等へのご投資には、各商品毎に所定の手数料等をご負担いただく場合があります。
また、各商品等には価格の変動等による損失を生じるおそれがあります(信用取引、先物・オプション取引では差し入れた保証金・証拠金(元本)を上回る損失が生じるおそれがあります)。
商品毎に手数料等及びリスクは異なりますので、詳細につきましては、SBI 証券WEB サイトの当該商品等のページ、金融商品取引法に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。

 

【個人情報の取扱いについて】
本セミナーは、リンクス株式会社(以下弊社)により運営されており、個人情報は弊社で管理いたします。
取得いたしましたお客様の個人情報は弊社セミナー、商品サービスのご案内など弊社の利用目的の範囲内で利用させていただきます。


 

資産形成.com の最新情報をチェック!