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GPIFの運用損失で年金受給額は本当に減ってしまうのか?

 

 

2016年2月15日の衆議院予算委員会にて安倍晋三首相はGPIFが株式投資等で運用損失、あるいは想定する運用益が出せない場合、年金受給額を調整するしかない、つまり減額の可能性がある旨言及しました。これは本当に正しい見解と言えるのでしょうか?またGPIFの運用は今後どのようにしていくべきなのでしょうか?今回はこれらについて考えていきます。

 

時事ドットコムの記事によると

年金給付減額あり得る=GPIF運用悪化なら-衆院予算委・安倍首相

2016年02月15日

衆院予算委員会は15日午後、安倍晋三首相と関係閣僚が出席して経済などに関する集中審議を続けた。最近の株価下落で年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用損拡大が指摘されていることに関連し、首相は「想定の利益が出ないなら当然支払いに影響する。給付に耐える状況にない場合は、給付で調整するしかない」と述べ、運用状況次第で将来的に年金支給額の減額もあり得るとの認識を明らかにした。

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[コメント]

安倍首相に年金給付減額の可能性を訴えて国民の不安を煽るインセンティブは認められないので、年金の修正賦課方式(※1)を理解されておらずにこのような答弁がなされてしまった可能性が高いです。

この修正賦課方式の主たる部分である賦課方式は、今後少子高齢化によって人口ピラミッドが逆三角形に近づいていくので、一朝一夕にどうにかなるものではないながらも、GPIF(※2)で運用している積立方式はほんの一部ですから、これの運用損失によって年金受給金額の減額は考えづらいといって良いでしょう。

それはそうと、GPIFの運用については問題点が多いこともたしかです。

というのは、2014年10月以降の運用利回り目標は最低年率1.7%とされていますが、これを達成するために現状の資産構成割合(国内債券35%:国内株式25%:外国債券15%:外国株式25%)というのが本当にリスクリターン(※3)上最適化されたものなのかという疑問です。

この程度の運用利回り目標であれば正直ここまで国内株や外国資産の割合を高めずとも、ある程度は国内債券、具体的には超長期国債(たとえば30年債なら現在の利回り年1.15%)で運用しても達成可能性なのでは、と思ってしまいます。

もちろん株式運用等を完全に否定するものではありません。

あくまでも割合の問題です。

いずれにせよGPIFの運用についてはもっと細部にわたって議論が必要ですね。

また、GPIFの運用損失で年金受給額が減額される心配は少なくても、先ほどお伝えしたように賦課方式の肝である人口動態から減額への道を辿らざるをえない状況というのは以前(※4)にも申し上げたとおりです。

ですから、20〜40代の皆さんはとくに今から老後資産形成(※5)に着手するのが必要不可欠であることに代わりはありません。

※1 修正賦課方式とは、引退世代の受け取る年金をその時の現役世代から徴収する保険料でまかなう賦課方式を主とするが、年金制度が成熟化していない間に積み立てられた積立金を将来、年金制度が成熟化した時に積立金の運用収入を引退世代に対する給付原資の一部に充当することとする年金制度の仕組みのこと。

※2 GPIFとは、GPIFとは・・・”Government Pension Investment Fund”の略で、「年金積立金管理運用独立行政法人」のこと。厚生労働省が所管する、厚生年金と国民年金の管理運用業務を行う独立行政法人をいう。

※3 投資のリスクとリターンについて考えるを参照のこと。

※4 年金額の抑制に備えて高まる老後資産形成の必要性を参照のこと。

※5 20代・30代・40代のための老後資産形成講座【まとめ】を参照のこと。

 

【コメントした人】

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