資産形成においては、自助=”投資”、共助=”保険”、公助=”社会保障”と考えるとわかりやすいと思います。
ここでいう共助の”保険”は、公的医療保険のような公的な保険は公助に分類するものとして除外しますのでその点に注意してください。
投資・保険・社会保障の詳細については各々また別の回で詳しく説明します。
それでは私たちを取り巻く環境は過去から現在までどのように変化し、現在から将来に渡ってどの方向にいくと考えうるのでしょうか?
実はわが国の公助=”社会保障”の変遷を追うことでその答えが見えてきます。
社会保障の過去・現在・未来
以下の2枚の図をご覧ください。
A.
B.
上図Aでは過去(1970年)、現在(2012年)、将来(2060年)のわが国の人口推移、さらに各年を年少人口(0〜14歳)、生産年齢人口(15〜64歳)、老年人口(65歳以上)に分けたものです。
人口全体が過去〜現在〜将来で増加から減少に転じていくことももちろん大きな問題ですが、人口構造があきらかに少子高齢化に向かっていることがわが国の社会保障を考える上ではより重要です。
これは上図Bでより詳しく見ていきたいのですが、現在の社会保障は賦課方式という現役世代の保険料で年金受給世代を支える方式となっています。
そこで社会保障の過去・現在・未来を見ていくと過去(1960年当時)は現役世代9.1人に対して1人の年金受給世代を支えるという胴上げ型といえるもので、現役世代にとってはかなり余裕のある状態でした。
これが現在〜将来に渡っては、現在(2012年現在)が2.4人に1人を支える騎馬戦型、将来(2050年時点)では実に1.2人に1人を支える肩車型とどんどん現役世代が苦しい状態に追い込まれているといえます。
ここから導き出せることとして、先ほどの自助(投資)と共助(保険)=能動的、公助(社会保障)=受動的という観点からいえば、将来に渡って公助に期待することは難しいといわざるをえません。
ここで資産形成の必要性を改めて捉え直すと公助(社会保障)が縮む方向に拍車がかかっているわけですから、望むと望まざるとにかかわらず、今後能動的に考え行動しなければならない自助(投資)と共助(保険)での資産形成をみなさん一人ひとりが必要不可欠なものとしなければならない状況にあると結論づけるよりほかないでしょう。
このように私たちを取り巻く環境が資産形成の必要性を裏付けているともいえるのです。