内閣府の国民経済計算(GDP統計)によれば2013年度のわが国のGDPは総計、内訳ともに以下のとおりになります。
2013(平成25)年度
GDP(支出側、名目)
総計 483兆1103億円
内訳)
民間最終消費支出 296兆5388億円
政府最終消費支出 98兆7787億円
国内総資本固定形成 107兆5662億円
在庫品増加 -3兆8664億円
財貨・サービスの輸出入 -15兆9070億円
日本のGDPは2013年現在で483兆円超です。
大きな金額すぎてなかなかイメージが沸きづらいかもしれません。
これについては少しイメージしやすいようにこのGDPの総計をわが国の総人口1億2728万人(2013年度)で割ることで一人当たり(名目)GDPが求められるのですが、この数値は約380万円になります。
つまり日本人1人当たりで1年間に380万円程度の支出をしているという計算です。
これは月額に引き直すと約32万円ですから、少し多いと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、日本人の平均と考えると実感としてそんなに遠い数字ではないのではないでしょうか。
また内訳に目を移すと、これらの支出項目をより簡潔に分けると個人消費(C、民間最終消費支出)、政府支出(G、政府最終消費支出)、投資(I、国内総資本固定形成+在庫品増加)、純輸出(X-M、財貨・サービスの輸出入)となります。
これらにまとめるとGDPの内訳は以下のようになります。
個人消費(C) 296兆5388億円
政府支出(G) 98兆7787億円
投資(I) 103兆6998億円
純輸出(X-M) -15兆9070億円
少しすっきりさせて見てみるとわが国は個人消費(C)がGDP総計の約61.3%(C/GDP×100)と非常に大きなウェートを占めており、その一方で輸出から輸入を差し引いて求められる純輸出(X-M)が輸入超過によりマイナスですから足を引っ張っているのがお分かりいただけると思います。
ところで、みなさんはわが国の経済の特徴を小中学校で習う時に「貿易立国」である、つまり”他国との輸出入によって成り立っている国”だと教わりませんでしたか?
上記をご覧いただければお分かりいただけるようにその「貿易」を表したGDPの数値は純輸出(X-M)しかありません。
そして先ほど説明しましたが、純輸出(X-M)はわが国のGDP総計の足を引っ張る存在になっています。
つまり少なくとも現状においてわが国の経済はGDPの内訳の大きさから考えて「貿易立国」とはいえないということですね。
このように具体的な数字ベースをきちんと把握した上で現状を理解することは非常に大切です。
ちなみに本記事内の「名目」という言葉ですが、ここでは「出てくるそのままの数字」程度に考えてください。