「経済成長」という言葉自体は新聞やTVのニュース、インターネット上等々で聞いたことがあるという方も多いと思います。
それでは経済成長とはどういう意味か答えられますか?
言葉自体はよく耳にして知っていることでも言葉の定義を正確に知っているかどうかとなるとそこまではという言葉って案外多いものですよね。
経済成長」とは付加価値(モノやサービスの金額)の生産が増大することです。
ここでGDPの定義を振り返りましょう
GDPとは国内で1年間に生み出されたモノやサービスの金額(付加価値)の総和でしたね。
よって経済成長とはGDPが増大することと言い換えることができます。
さらにいうと「経済成長率」というのもよく使われる言葉ですが、これは四半期(3カ月間)ないし1年間にGDPがどのくらい変化したかの割合ということになります。
経済成長率は以下の算式で求めることができます。
1年間の名目GDP成長率(%)=(今年の名目GDP – 前年の名目GDP)÷ 前年の名目GDP × 100
ここからは実例に基づいてお話していきましょう。
2013年度のわが国の名目GDPは483兆1103億円です。
同様にその前年、2012年度の名目GDPも内閣府の国民経済計算(GDP統計)より調べると474兆4749億円になります。これを上記の算式にあてはまめると以下のようになります。
(483兆1103億円ー474兆4749億円)÷ 474兆4749億円 × 100 = 1.82(%)
よって、日本はこの1年間で名目値で1.82%経済成長したということができます。
このように日本のGDPを時系列でその変化率である経済成長率を算出したり、その算出した日本の成長率と他国の経済成長率を比較することで、客観的な情報を通して現在のわが国の経済的な立ち位置や世界全体の経済情勢を(これだけでは大雑把ではありますが)知ることができます。
最後にここまで何気なく使ってきた名目値という言葉と、もう一つ実質値という言葉についてその違いをお伝えしておきましょう。
名目値については「出てくるそのままの数字」とお伝えしていました。
ここではもう少し正確にその定義づけをお話します。
これも内閣府が出しているものを引用します。
名目値・・・実際に市場で取り引きされている価格に基づいて推計された値。
実質値・・・ある年(参照年)からの物価の上昇・下落分を取り除いた値。
ちなみにここでいう参照年とは「内閣府が定めている基準の年」のことを指します。
これまでのお話は名目値ですべてお話してきました。
ただ実際はこの名目値以上に実質値が大切です。
なぜならば実際の経済ではインフレ(物価上昇)・デフレ(物価下降)による物価変動の影響を受けるためです。
経済を理解する上でまず何よりも重要な指標はGDP(国内総生産)です。
ここまでをしっかりと理解していただくことでみなさん一人ひとりの資産形成を考え行っていくにあたっての羅針盤がかなりの程度出来上がるでしょう。
内容が難しい箇所もあったかと思いますが、繰り返しお読みいただければと思います。
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