一家の大黒柱のお父さんが亡くなってしまっても、学資保険に加入すれば、「お父さんが元気にしっかりと17年間働けば450万円が貯蓄できている状態」と「お父さんに万が一のことがあっても450万円を保険会社から受け取ることができる状態」の双方を同時に叶えることができます。
これが学資保険のメリットになります。
しかし、みなさんが気づきにくい学資保険のデメリットをお伝えしなければなりません。
お父さんが亡くなった場合、一般的な学資保険は以後の支払い保険料が免除となるので保険料を支払う必要はありません。
保険料をお母さんが肩代わりする必要がないのです。
そして、保険料を支払うことなく、契約時に決めたお子さんの年齢(15歳、17歳、18歳等)に達した時に、学資金として100万円ずつを4年間とか5年間受け取ることができます。
つまり、お父さんの生死に関わらず教育資金が準備出来ている状態になるわけですが、実際にお父さんが亡くなった時のことを今一度真剣にお考えになってみてください。
そう、学資保険で教育資金(子育て費用)準備をしている最中にお父さんが亡くなったら、大学費用のための貯蓄をお母さんが肩代わりする必要は無いのですが、「その大学に入るまでの教育費と予備校代」はお母さんが負担をするという構図になってしまうことが危惧されるのです。
学資保険は契約時点で決めた満期、例えばお子さんが18歳になってから学資金を受け取ると契約時点で決めたら、お子さんが18歳になるまで学資金を受け取ることができません。
つまり、お子さんが5歳の時にお父さんに万が一のことがあっても、実際にお金が保険会社から届くのは上記の例ではお父さんが亡くなってから実に13年後ということになってしまうのです。
これは15歳に設定しても17歳に設定してもそれに応じて同様です。
お父さんが亡くなって、家賃(お父さんの会社の社宅費等の補助が無くなるご家族も多いはずです)や水道光熱費、食費等の生活費、携帯代(最近ではお子さんもほとんどの方が持っていますよね。友達の中で自分のお子さんだけ携帯がないというのもかわいそうに思われることでしょう)、お子さんの部活動や習いごとの月謝等もお母さんが仕事をして稼いでいかなくてはなりません。
「お父さんは学資保険以外にも生命保険に加入していたから、別の保険金でなんとかなるはず。」とお考えになる方も多いと思いますが、仮に5000万円の保険金を残してくれたとして、その5000万円は今のお父さんの年収の何年分でしょうか?
おそらく10年前後、年収の高いお父さんなら5年前後の年収分ではないでしょうか。
5000万円の保険金なんてその程度の金額です。
私たちは多額の保険に入るべきだと言っているわけではありません。
ただ、長男長女が5歳の時にお父さんに万が一のことがあったら、5000万円では長くてもお子さんが15歳までの生活費で消えてしまうのです。
そんな状況の中で、お子さんの可能性を伸ばすために大学の費用が準備できているのは確かに安心ですが、そもそも大学に入ることができなかったら元も子もありません。
お子さんの大学費用に充当するお金の準備はできているのに、お子さんが大学に合格することができなかったら本末転倒ではありませんか。
さらに、もしも背に腹は代えられぬという状況になったら、お子さんが18歳になる前に生活費が必要になる可能性だってあるかもしれません。
お子さんに特別な才能があり、義務教育期間中でも海外留学させたいという状況になることも考えられない話ではありません。
つまり、あらゆる状況に対応できるように保険は考えて無駄なく加入するべきであるというのが私たちの伝えたいことなのです。
ですから、お父さんが亡くなった後に、すぐに保険金が手元に来る状況の方が望ましいと考えます。
手元にお金が来てから何もお金の心配が無かったら、お子さんが大学に入るまで普段使わない銀行口座にでも保険金を置いておけば良いのです。
そうすれば、もしお子さんが18歳になる前に背に腹は代えられぬ状況になっても、そのお金を使うことができるじゃないですか。
このように、学資保険のデメリットは、すぐに学資金(≒保険金)が手元に来ないことなのです。