まず、そもそもなぜ貯蓄型終身保険の短期払いタイプ(円建て)が良いかをご理解いただくために、終身保険(円建て)の仕組みを簡単に解説します。
一般的な貯蓄型の終身保険(円建て)は、保険料の支払い込み期間が満了する(もしくは支払い込み期間満了間近になる)までは、解約返戻金は支払った保険料を上回りません。
つまり、支払期間中に解約をすると支払った保険料より戻って来る解約返戻金が下回る仕組みとなっており、支払い込み期間満了後(満了間近)になってようやく支払った保険料以上に増え始めるという仕組みとなっています。
仮に60歳払い込みの終身保険に加入したとすると、解約返戻金が支払った保険料以上になるのは基本的に60歳からです。
この仕組みを逆に利用すると、支払い込み期間を短くすれば、支払った保険料よりも解約返戻金が下回っている期間を短くでき、さらにお金が増え始めるタイミングを早めることができるということです。
もうおわかりですね。
つまり、一般的には60歳払いで契約する貯蓄型終身保険を12年支払いとか15年支払い、17年支払いとすることで、解約返戻金が支払い保険料を下回ってしまっている期間を短くし、さらに増えはじめるタイミングも早くすることができるのです。
現在では、10年以上1年刻みで支払い期間を選べる保険会社も存在し、お子さんの年齢に合わせて、お子さんの成長した年齢時点を考慮して貯蓄型の終身保険を組むことができるのです。
以上をご理解いただいた上で、上記した5つのオススメのポイントをそれぞれ解説していきます。
① 普通の生命保険なので、万が一のことがあったら申請して通常1ヶ月以内に保険金を受け取ることができる。
→ これはその通りの意味です。
② 仮に月々2万円程度を保険料に設定した場合、学資保険より終身保険の保険金が大きくなることがある。
→ 終身保険の支払い込みを何年に設定するかによって変わりますが、月々2万円程度の保険料で学資保険と終身保険を比べてみると、終身保険の方が万が一の際に受け取れる保険金額が大きくなることが多いです。
③ 子供の年齢が現在6歳程度までであれば、契約してから11年後に支払った保険料よりも解約返戻金が大きくなるように保険を設計できる保険会社がある(2015年3月時点)。
→ ここも、上記の通りですね。
④ 貯蓄型の終身保険短期払いにてあらかじめ一定の保険料を支払うことが出来れば、お子さんが増えていくごとに新しい保険に入る必要をなくすことが可能となる。
→ 学資保険は既に生まれているお子さんもしくは出生直前のお子さんを対象としていますので、お子さんが増えるごとに学資保険を追加していくご家庭が多いようです。
しかし、その際お父さんが年齢を重ね不健康になったりすると加入できなくなることも考えられます。
お子さんを2人3人欲しいというご夫婦なのであれば、予め若いうちから終身保険に多めに入っておくということができます。
⑤ 終身保険は解約するまで解約返戻金が増え続けるという魅力があり、その効果を使って子供のための貯蓄として加入した終身保険をセカンドライフのための資産形成の一環とすることが可能となる。
→ もしも、今から10年以上先の人生が確定している方で出世も年収もある程度明確になっている方なら話は別ですが、もしお子さんが大学受験の時に夏冬ボーナス合わせて400万円程度受け取れるような出世を成し遂げたら、お子さんの教育資金のために加入した終身保険はそのまま解約することなく、ずっと運用を継続してもらうことができます(少なくとも2015年現在では銀行預金より終身保険の方が資産形成に有効であることは周知の事実です)。
それに対し、学資保険には満期がありますので、どんなに運用を継続して欲しいと保険会社に言ったところで、満期になれば強制的にお金は戻って来てしまいます。「その戻ってきたお金で保険にもう一度入れば良いじゃないか!」という声が聞こえて来そうですが、その時にお父さんは何歳になっていらっしゃいますか?
保険に加入できてもかなり条件は悪くなっているご年齢でしょうし、不健康な体になっていたり大きな病気をしていたりしたら、保険に入ること自体ができないでしょう。