日経平均株価以外にも、日本国内の代表的な株価指数としてTOPIX(東証株価指数)があります。TOPIXも新聞やニュースでよく報道される指標です。
ですが、
「同じ株価指数なのに、なんで日経平均株価と2つ報道されるの?」
「TOPIXと日経平均株価、どちらを参考にすればいいの?」
と思う方もいるかもしれませんね。
今回はTOPIXについて、日経平均株価との違いも含め、わかりやすく解説していきます。
日経平均株価って?という方はこちらの記事からご覧になってください!
(関連記事)日経平均株価とは?株式市場の代表的な指数の基本や特徴をわかりやすく解説
TOPIX(東証株価指数)とは?
TOPIXは、「トピックス」と読み、日本語では東証株価指数といいます。TOPIXは「Tokyo Stock Price Index」の頭文字を取ってつなぎ合わせたものです。
東証一部上場の株式全銘柄を対象として算出している株価指数で、東京証券取引所が1秒ごとに、算出・公表しています。
TOPIXの算出方法と「時価総額」という考え方
TOPIXを理解する上で、大切になってくるのは「時価総額」という考え方です。
時価総額 = 発行済株式数 × 株価
であり、ある時点における会社の規模や企業価値を示しています。
TOPIXの算出方法としては、1968年1月4日の東証一部上場企業の時価総額(当初数値は8兆6020億5695万1154円)を100とし、現在の東証一部上場企業の時価総額を「加重平均」したものの割合を、経済・市況によらない変動要因(新規上場・上場廃止・増減資・企業分割・etc.)を修正し、指数化しています。
「加重平均」とは値の重み(ウエイト)を加味して、平均することです。
例えば、りんごを80円で100個、100円で200個、120円で200個購入した場合であれば、
(80×100+100×200+120×200)÷(100+200+200)=104円
となります。これが「加重平均」です。
※ここでいう時価総額は、浮動株のみを対象としています。浮動株とは発行されている株式の中で、安定した株主に保有されておらず、市場に流通する可能性の高い株式のことです。
※ちなみに、四季報やインターネットに掲載されている時価総額は、発行されているすべての株式数に株価を掛け合わせた、一般的な時価総額になります。
計算式は、
TOPIX = 現在の時価総額 ÷ 基準時時価総額(1968年の時価総額) × 100
になります。
TOPIXに含まれる銘柄数
先ほどお伝えしたように、TOPIXは東証一部上場の株式全銘柄が対象です。ですので、TOPIXに含まれる銘柄数は東証一部全銘柄の2,000強ということになります。
TOPIXにおける各銘柄の寄与率(構成率)とは?
TOPIXは、東証一部上場の株式全銘柄を対象として算出している株価指数ですが、日経平均株価と同様に、各銘柄が同じように指数に寄与するわけではなく、時価総額の大きな銘柄(大型株といいます)の動きが大きく影響してきます。
2020年8月現在における、時価総額の大きな企業上位5銘柄は以下になります。
①トヨタ自動車(株)
②ソフトバンクグループ(株)
③(株)キーエンス
④ソニー(株)
⑤(株)NTTドコモ
これらの株価はTOPIXの動きに影響を与えやすいので、興味を持ってチェックをすると良いでしょう。
TOPIXと日経平均株価のそれぞれの特徴の違いとは?
ここまでTOPIXの内容について見てきましたが、新聞やニュースでは日経平均株価とTOPIX、2つの株価指数が報道されていますね。それはなぜなのでしょう?
答えは日経平均株価とTOPIXの特徴の違いにあります。
大きな違いは2点で、組入銘柄数と組入銘柄の寄与率になります。
組入銘柄数から見る違いとは?
東証一部上場銘柄のうち225銘柄のみで構成される日経平均株価に比べ、TOPIXは東証一部上場の全銘柄で構成されます。したがって、TOPIXの方がより市場全体の動向を反映した指数と言えます。
重複している銘柄もありますので、似たような動きをすることも多いとは思いますが、市場全体の動きを知りたい場合は日経平均株価よりもTOPIXを見るのがよいでしょう。
組入銘柄の寄与率から見る違いとは?
日経平均株価は採用されている銘柄の寄与率を見ると、海外売上比率(売上高全体に占める海外の売上高の比率)が高い、外需関連株の影響を受けやすい指標でした。
一方TOPIXは、時価総額の大きな銀行株や証券株などが寄与率の上位を占めることから、内需関連株の影響を受けやすい指標といえます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?普段見聞きしているTOPIXの基本と特徴について解説させていただきました。
ともに日本を代表する株価指数ですが、銘柄数や寄与率の違いなどから、動きが異なる部分もあります。
TOPIXと日経平均株価のどちらかよいということではなく、両方を併用することが基本になります。それぞれの特徴を理解し、株式投資に活かしていきましょう。