銀行、証券会社等の販売会社のホームページを筆頭に”おすすめ”の投信だったり、”人気”の投信といった括りでランキングが出されていることが少なくありません。それどころか溢れ返っているといっても良いでしょう。
このおすすめや人気の投信のランキング上位だからと素直に信じてその投資信託を購入したとすると、うまく利益につながるでしょうか?
もちろんうまく利益を出せたというケースもあるでしょう。
ただなかなか思ったような利益が出なかったり、悪くすると損失を出してしまったりというケースの方が相対的に多いというのが現実です。
ではなぜおすすめや人気のランキング上位を見て投資信託を購入しても利益を出しづらいのでしょうか?
投資信託で利益が出せない理由は”3つ”ある!!
おすすめや人気ランキング上位の投資信託を購入してもなかなか利益が出せない、それどころか損失まで出してしまう可能性が少なからずあるのは、主に以下の3つの理由が考えられます。
1. 話題性のある投資信託は商品化された段階が基準価額のピーク
2. 人気の毎月分配型投信は投資効率が悪い
3. ほとんどの運用のプロは「休むも相場」を知らない
一つずつ説明していきましょう。
1. 話題性のある投資信託は商品化された段階が基準価額のピーク
証券会社や銀行等の販売会社は「投資信託を販売すること」が仕事です。
また委託会社(運用会社)がこの販売会社の同一グループ内に存在する場合が少なくありません。
ですから、その投信の投資対象が話題性がないあるいは低い段階では商品化せず、話題が出ている中で商品化を検討、実際にその投信が商品化される頃には投資対象の価格がピーク、ないしはピーク前後まで上昇しきってしまっていることが多いのです。
2. 人気の毎月分配型投信は投資効率が悪い
相変わらず販売会社のホームページ等を見ると毎月分配型投信が根強い人気となっているようですが投資効率は悪い前提にまず立つ必要があります。
こうした毎月分配型投信も公的年金の補填等の理由で投資効率とは別の根拠をもって目先の現金が必要ということであれば有効性があると考えますが、とくに資産形成のように将来の何らかの使い道への備えとして貯蓄していくためには決して適しているとはいえないでしょう。
3. ほとんどの運用のプロは「休むも相場」を知らない
投資信託協会の定める『投資信託等の運用に関する規則』によれば、「当該投資信託の信託財産の総額の2分の1を超える額を有価証券に対する投資として運用する 」とあるわけですから、裏を返せば信託財産の総額22分の1未満は現金ポジションをとることが可能であるはずですよね。
ただ多くの投資信託はほぼ100%を有価証券に対する投資に回してしまっているのが実態で、これでは現在のように市場全体が上昇基調であるならばともかく、下落基調に転じてしまった場合は市場全体と同様に下落してしまいます。
これでは「せっかく運用のプロであるファンドマネージャーに運用を任せているのに・・・」ということになってしまいますよね。
以上の3点からおすすめや人気のランキング上位の投資信託に安易に手を出すのはかなり危険ということになります。
もちろんこの他にも理由は様々考えられるでしょうし、一方で反論をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
ここに述べたのはあくまでも私たちの見解に基づいたものです。
投資信託の本質とは?
では、私たちの考える投資信託の本質とは何かについてここからお伝えしましょう。
これは単純ですが非常に大切なところで、以下のとおりになります。
運用のプロ(ファンドマネージャー)に資産を信じて託すこと
これです。
当たり前といえば当たり前ですが、先ほどお伝えしたとおり現状のおすすめや人気のランキング上位の投資信託はこの投信の本質を満たしているとは言い難いです。
残念な話ではありますが・・・
ただこの本質に則った投資信託は存在しないのかというと、そんなことはありません。
ここで個別の投資信託に限定してお勧めすることはしませんが。
これを考えるためのヒントだけお話しておきます。
本質に則った投資信託を選び出すためには、市場の動きにかかわらず資産を増やすことを目指しているかどうかを見極めるのが必要不可欠ということです。