実は私たちの生活に密接に関わっている「外国為替」
みなさんは食料品等を購入するためにスーパーやコンビニによく行きますでしょうか?
おそらく大半の方がかなりの頻度で行っていることでしょう。
なのでご存知の方も多いかと思いますが、現在ではスーパーやコンビニに置いてある食べ物などがすべて国内産ということはありません。
かなり多くの食料品等が海外から輸入しているという場合が多いです。
たとえば牛肉はアメリカやオーストラリア産が多いですし、最近では野菜も中国産のものが増えています。
このように海外から輸入しているということは、「貿易」が行われているということです。
ここで昨年2014年に世界中で行われた貿易を貿易額という金額ベースで見てみましょう。
国際銀行間通信協会の調べによると、最も多いのはアメリカの「ドル」で貿易総額の実に44%を占めています。
ちなみに日本の「円」で取引された貿易額は2.7%に過ぎません。
この数字だけをみても、アメリカの「ドル」が国際的な貿易の場で大きな影響力を誇っているといえるでしょう。
話を戻して、今現在、日本でこれだけ便利な生活を日々送ることができるのは、貿易のおかげといっても過言ではありません。
この便利な生活に密接に関係している貿易の実に4割強の金額がアメリカの「ドル」で行われていることを考えれば、私たちの生活に「外国為替」も密接に関係しているということが容易に想像できますよね。
たとえ話になりますが、ここにアメリカで牧場を営んでいるマイケルがいるとしましょう。
このマイケルから牛を購入するために、みなさんがマイケルに一万円札を何枚、何十枚、何百枚渡してもマイケルは牛を売ってはくれないでしょう。
みなさんがマイケルから牛を購入するためには、「円」を「ドル」と交換して、アメリカの「ドル」でマイケルに牛の代金を支払わなければならないのです。
※ 厳密にいうとマイケルが「円」を受け取って「ドル」に交換するという手もありますが、結果的にマイケルがほしいのは「円」ではなく「ドル」であることに違いはありません。
こうして見てみれば、みなさんの生活に「外国為替」がどれほど密接に関係していて影響を与えているか、イメージがしやすいかと思います。
為替がみなさんの生活に密接に関係しているからこそ、日々TVのニュース等で「今日の為替レートは1ドル=◯◯円です」と発表しているわけです。
貿易の影響が大きい生活を送っているからこそ外国為替の基礎知識は役に立つ!
では、「円安」「円高」の知識をここで生活に役立ててみましょう!
たとえば、マイケルの牧場で考えてみましょう。
※ 以下では為替手数料は考慮に入れないでお話していきます。
マイケルの牧場の牛一頭の価格が1万ドルだったとします。
為替レートが「1ドル=100円」だったとすると、日本「円」では100万円(=1万ドル×100円/ドル)となります。
100万円を通貨交換所で1万ドルに交換すれば牛一頭が購入できるわけです。
この1ドル=100円という為替レートを基準として、まずは円高になったらどうなるか見てみましょう。
1ドル=80円の円高になったとすると、日本「円」は80万円(=1万ドル×80円/ドル)で牛一頭が購入できるようになります。
これは1ドル=100円の時と比較すると、牛一頭あたり実に20万円も安く購入することができるということです。
ですから、その牛をアメリカから日本へ輸送して牛肉としてスーパーが販売する時は仕入れが20万円安く済むことになりますので、店頭販売価格もその分安く提供することができます。
消費者の立場からすると、100gの牛肉が100円だったところが80円で購入できるようになったと考えればわかりやすいでしょう。
それでは、1ドル=120円の円安になったとするとどうでしょうか?
この場合、日本「円」では120万円(=1万ドル×120円/ドル)で牛一頭を購入しなければならなくなります。
その牛を日本に輸送してスーパーで販売する時は仕入れが20万円高くなってしまいますので、その分店頭販売価格に上乗せせざるを得なくなります。
つまり、100gの牛肉が100円だったところが120円支払わないと購入できなくなってしまうというわけです。
※ 現実的には為替以外の要因が絡むことがありますので、仕入価格の変化と店頭販売価格の変化が同じ変化率になるとは限りませんので、その点はご注意ください。
ここまできてようやくですが、冒頭の「円高の時はブランド品購入のチャンス!」という意味が腑に落ちたのではないでしょうか?
円高なら海外の商品は日本「円」で換算すれば安く購入することができるからこそ、”円高還元スーパーセール”なんていうものが行われたりするんですね。
ちなみに円高で安く仕入れられた商品をそのまま消費者に安く提供するというセールがこの円高還元スーパーセール等と呼ばれているものになります。
ここまでで円安と円高がみなさんの生活の中でどのように関わってくるかということをお伝えしてきました。