ここでは住宅の購入、マイホームの取得がどのタイミング(時期)で賃貸を逆転するのか、ある物件を例に具体的に見ていきます。
※ もちろん各々の物件によって異なりますので、あくまでも一つの事例でのシミュレーションであることにご注意ください。
住宅(マイホーム)を購入した場合と賃貸を借りた場合のシミュレーション
以下は湾岸地域の実際にあるマンションです。
間取り:4LDK
中古価格:5680万円
同様の条件の物件を賃貸で借りると:月21万円
単純に計算すると・・・
270ヶ月(=5680万円÷21万円/月)、つまりは22年6ヶ月で賃貸の方が住宅(マイホーム)の購入を単純費用で上回ります。
意外と早くに購入と賃貸の逆転が起きていますね。
ですが、実際にはこれに諸費用を加味して考えなければなりません。
ここでは、30年間分の諸費用をとりあえずの価格で加味すると、それぞれ以下のとおりになります。
※ 以下では損保を除いており、考慮していません。
住宅(マイホーム)を購入した場合
購入時手数料(3%):約170万円
住宅ローン(5000万円借り入れ・固定金利年1.5%):1430万円
修繕積立金:500万円(30年分概算)
管理費:750万円(30年分概算)
固定資産税:440万円(30年分概算)
都市計画税:165万円(30年分概算)
合計:9135万円(=170万円+1430万円+500万円+750万円+440万円+165万円+5680万円)
賃貸を借りた場合
敷金(家賃一ヶ月分・一回のみ):0万円
礼金(家賃一ヶ月分・一回のみ):21万円
更新料(家賃一ヶ月分・二年に一回):21万円
合計:7896万円(=21万円(敷金)+21万円×15回(礼金)+21万円×30年×12ヶ月(家賃))
※ 物件によって諸条件は異なることがあります。また敷金については最近のルール変更で住居を引き払う際に全額返金されます。
住宅(マイホーム)を購入して良いタイミング(時期)は!?
上記のシミュレーションでは、住み始めてから30年経過した時点では、賃貸を借りる方が、住宅(マイホーム)を購入するよりも得です。
これだけ見ると、住宅(マイホーム)を購入すると後悔してしまうように感じてしまうかもしれません。
ただし、このまま経過すると、住み始めてから40年経過するまえに住宅(マイホーム)の購入が賃貸を逆転して得になります。
もちろん購入した年齢にもよりますが、たとえば30歳前後で住宅(マイホーム)を購入したとすると、70歳前後、つまり現在の平均寿命以前には賃貸よりも購入の方が得になるケースがほとんどです。
さらに住宅(マイホーム)を購入した場合は、住宅ローンを完済した後であれば、その住宅は自分自身の資産になります。
その一方で、当然のことながら賃貸を借りた場合は自分自身の資産にはいつまで経ってもなりません。
ここであくまでも金銭的な面に着目してお話してしまうと、住宅(マイホーム)を購入するのは、年齢の若いタイミング(時期)であれば、得になる場合が多いということです。
ただし、住宅は金銭的な面のみに着目して考えれば良いというものではありませんから、一概に年齢が20代や30代のように年齢の若いタイミング(時期)だからといって、一括りに賃貸を借りるよりも得になると言い切れるわけではありません。
ここのところを理解するためには、住宅の購入と賃貸、各々のメリット・デメリットをしっかりと理解する必要があります。