税金というと「わかりにくい、複雑なもの」と考えていませんか?たしかに事細かに見ていけばその通りの部分もありますが、資産形成をしていく上で最低限必要な税金の知識はそこまで難しくありません。手順を追って仕組みから理解してしまえば案外わかりやすいものです。今回はこの税金の仕組みについてお話していきます。
そもそも税金とは?
国や地方公共団体(都道府県・市区町村)では、私たちが健康で文化的な生活を送るために、個人ではできない仕事をしています。
この個人ではできない仕事とは、私たちが毎日利用している道路や橋などの社会資本を整備すること、生命や財産を災害や犯罪から守ること、生活に困っている人を保護することなどです。
国や地方公共団体(都道府県・市町村)は、これらを公共サービスという形でみなさんに提供しています。
この公共サービスは、当然ですが、莫大な費用がかかります。
この莫大な費用は、私たちから税金を徴収することにより賄(まかな)っています。
このように、税金は、私たちが社会の一員として生活していくために負担しなければならない会費のようなものといえます。
わかりやすい?わかりにくい?税金の役割
上記のように税金の役割を一言でいってしまえば、非常にわかりやすいといえるでしょう。
しかし、これを主たる役割として、税金には他に、従たる役割が4つあります。
ここではその4つを一つずつ説明していきます。
1. 富の再分配
税金の支払い能力は、すべての人で同じということはありません。
所得や資産の多い方、少ない方によって税金の支払い能力の高低が生じます。
そこで、この所得や資産の多い方に、より多額の税負担を課し、その一方で、所得や資産の少ない方には、少額の税負担で済ませることによって、国民間の富の格差が不必要に拡大することのないようにする役割が税金にはあるといえます。
2. 景気の調整
好景気の時期にはみなさんの所得は増えていき、その一方で、不景気の時期にはみなさんの所得は減っていく傾向にあります。
ということは、所得の増える好景気の時期には税収(税金収入)が増加し、所得の減る不景気の時期には税収が減少します。
このように税金には、民間の需要を自動的に調整する役割があります。
この役割のことを専門用語では、自動調節機能(ビルトイン・スタビライザー)といいます。
3. 経済政策の推進
上記の自動調節機能(ビルトイン・スタビライザー)とは別に、政府は景気調節のために、好景気の時期には景気の過熱を防ぐために増税を、不景気の時期には景気の後退を防ぐために減税を行います。
このように、税金には、経済政策の手段としての役割があります。
4. 国内産業の保護
外国からの輸入に対して関税を課すことで、実質的に輸入を制限することで、海外産業から国内産業を保護する役割があります。
ただし、自由貿易の観点から、この関税による実質的な輸入制限に対して批判的な意見が多く寄せられています。
ややわかりにくい部分もあるかもしれませんが、まず何よりも税金の仕組みを理解する上で最も大切なのは主たる役割です。
これを十分理解した上で、ここまでで説明した従たる役割4つをじっくりお読みになり、理解するようにしていただければと思います。
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