「簡単に楽して金儲けできたらな・・・」とは誰もが一度は考えたことがあるでしょう。しかしそんなうまい話はなかなかありませんし、仮にあったとしてもそういう話には何か裏があると思った方が賢明です。今回は簡単に楽して金儲けすることはできないという観点から資産形成の王道とはどういうものかについて考えていきたいと思います。
なぜ”簡単に楽して金儲け”できないのか?
まずは、なぜ”簡単に楽して金儲け”できないのかについて、その理由を探っていきましょう。
これは、少し難しい言い回しですが一言でいってしまえば、需要を的確に捉えて適正な供給をし続けなければ大きく儲けることはできないからです。
ここで、需要と供給についておさらいしておきます。
需要・・・モノやサービスに対する購買力の裏付けのある欲望
供給・・・モノやサービスを提供しようとする経済活動需要については”購買力の裏付けのある”という箇所がポイントですね。いくらこれを買いたい、あれを買いたいと思っても、実際に購入できるモノやサービスでなければ需要には含まれませんので。一方で供給はその購入できるモノやサービスをどのくらい提供できるかということですね。
上記から考えると、生産者(モノやサービスを販売する側)は、消費者(モノやサービスを購入する側)の購買力の裏付けのある欲望である需要を見込んで、それに対して質量ともに適正な供給を与えることで、お金を得ることができるということになります。
最近ではインターネットの普及に伴ってネットショップを個人商店として開設したり、せどりや転売ビジネスを個人で行うといったみなさん自身が個人で生産者となること自体は容易になりました。
こうした中で、一部の方が上記のような需給(需要・供給)を的確に捉えて大きな利益を得ていることはもちろん否定できません。
ただし、こうした方は須らく需要を的確に捉えて適正な供給をし続けているからこそ大きくお金を儲けることができているのです。
感覚的な話になりますので個人差はありますが、これは”簡単に楽して金儲け”していることにはならないのではないでしょうか?
一方で、「それじゃ、種銭さえあれば、たとえば株式投資なんかでお金を増やせば”簡単に楽して金儲け”できるんじゃないの?」という声も少なからずあるでしょう。
ただこれも、株式などの金融商品や不動産等の投資で利益を出し続けることは、先ほどでお話した需給(需要と供給)関係が密接に関わってきます。
どういうことか、株式投資を例にとってお話していきましょう。
ここにA社の株式があったとします。
このA株を今買うべきか、あるいは売るべきか、つまりA株の株価は今後将来的に上昇するのか、下落するのかを判断するためには、自分以外の取引参加者がA株が現在の株価で供給されていることに対して購入意欲、つまり需要があるかどうかを的確に捉えなければなりません。
ここで、需要>供給であれば今後の上昇が見込めますのでA株を買うべきですし、逆に需要<供給であれば今後下落する可能性が高いのでA株は売るべきといえます。
ここでは株式投資を例にとってお話しましたが、これは株式投資に限らず金融商品や不動産等の投資全般にいえることです。
このように投資全般でも利益を出し続けるためには、需給関係を的確に捉えるという”簡単に楽して金儲け”とは程遠い難しい作業が求められます。
ここで、お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、付言しておくと、ここで申し上げているのは”簡単に楽して金儲け”し続けることはできないということです。
ネットショップ等のネットビジネスにしても、株式等の投資にしても、たまたま運良くの一発屋は枚挙に暇がありませんので、そこをクローズアップして宣伝している方の言葉を鵜呑みにして「自分も”簡単に楽して金儲け”できるのでは!?」というのは、言葉を選ばずに申し上げれば自殺行為に等しいので、厳に慎むべきです。
”簡単に楽して金儲け”とは一線を画す資産形成の王道とは?
ここまでで、”簡単に楽して金儲け”することはできないというお話をしてきました。
これに対して資産形成の王道ともいえる方法は”簡単に楽して金儲け”とは一線を画すものです。
まずそもそも資産形成とは何かのおさらいをしましょう。
資産形成とは〜資産形成の意味〜
将来の自分と家族を養っていく資産を形成する(つくる)こと
資産形成というと四字熟語だしすごく難しい話でしょといった声が聞こえてきそうですが、まず言葉の定義をはっきりさせてみればどうということはない、上記のたったこれだけのことなんですね。
要は”将来の備えを早いうちからしっかりしましょうよ!”という話です。
これがすべての原点になります。
裏を返せば、将来の自分と家族を養っていくだけの資産が本当に過不足なくつくることができれば、それ以上の資産形成は不要です。
「将来の自分と家族を養っていく資産」という目的があってはじめて資産形成の必要性が生まれるということです。
ここの点は非常に重要な点ですので、資産形成を行う上で常に念頭に置くようにしてくださいね。
それでは、資産形成の王道ともいえる方法とはどういうものでしょうか?
資産形成には以下のように2つの段階(ステージ)があります。
資産形成の2つの段階(ステージ)
【第1ステージ】 収支(収入と支出の差額)を黒字化(+に)する
【第2ステージ】 お金がお金を生む仕組みをつくる
第1ステージについてはこちら(まず始めるべき資産形成の方法とは?)をご参照いただきたいのですが、要は月々の収支を少なからず黒字化することが必須ということです。
その上で、より肝心なのは第2ステージです。
お金がお金を生む仕組みをつくる
”お金がお金を生む仕組みをつくる”とは端的にいえば”月単位(場合によっては半年や年単位あるいは不定期)で預貯金以外の金融資産にお金を積み立てていくこと”です。
ここでいうお金とは主に第1ステージで黒字化して貯蓄に回した収入と支出の差額分であることはすぐにお分かりいただけたかなと思います。
では”預貯金以外の金融資産”とは何を指すのでしょうか?
これは主に株式や債券、外貨、投資信託、貯蓄型の保険を指します。
ここで補足として金融資産以外(非金融資産といいます)はどうかという話ですが、非金融資産の代表格といえる不動産も資産運用を考える時には有効な場合がたしかにあります。
ただ資産形成を考えた場合には向かないといえます。
理由は2つあります。
それは1つには一度に大きな額のお金を必要とするので積み立てには向かないため、もう1つには換金性(流動性)が低い資産なので使いたい時や使わなければならない時にすぐに現金化するのが難しいためです。
上記のように主として今後のインフレ対策として地道にコツコツと定期的に預貯金以外の金融商品にお金を積み立てていくことが大切です。
※ インフレについての詳細はこちら(【資産形成】よく聞くインフレとデフレの意味とは?)をご参照ください。
上記のように資産形成はあくまでも地道にコツコツと行っていくべきもので、冒頭の”簡単に楽して金儲け”とは180°異なるものです。
この点をきちんとご理解いただいてみなさんには日々資産形成に励んでいただきたいと思います。
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