株式投資のスタートは「株を買う」ことです。では株式投資のゴールはどこにあるでしょうか?最もわかりやすいゴールは利益確定や損切りといった損益を確定させるために「株を売る」ことになります。今回は「株を売るタイミング」、指値や成行どちらにすべきか等の「株の売り方」について投資初心者の方向けにお話していきます。
株を売るタイミング〜初心者が押さえておくべき「利益確定」と「損切り」〜
株式投資の魅力は主に「値上がり益」と「配当金」の2つです。
この両者ともにそれぞれの魅力がありますが、株式投資の醍醐味を感じ取れるのはやはり「値上がり益」のほうでしょう。
この「値上がり益」を実現するためには、株式投資の鉄則である「株価が安い時に買って、高い時に売る」を実践しなければなりません。
ただ一口で言ってしまうと簡単な話ではありますが、言うは易く行うは難しです。
そこで、ここからは投資初心者の方が「株を売るタイミング」をどのように考えれば良いかについてお話していきます。
「株を売るタイミング」とは、「利益確定」と「損切り」の2つです。
株を売るタイミング(1)「利益確定」
たとえば、ある会社の株を「買い注文」を出して10万円で購入したとします。
その後、株価が上昇して15万円になったとしましょう。
この時点ではまだその株を保有したままですから「利益確定」とはなっていません。
ここで「売り注文」を出して売買が成立してはじめて「利益確定」となります。
実際にやってみていただくのが一番ですが、この「利益確定」を実践するのが非常に難しいのです。
なぜならば、株価が自分の買値よりもある程度幅をもって上昇してくると多くの人が「もっともっと上昇するのでは?」と、どうしても欲が出てきてしまうからです。
この欲を抑えて「利益確定」するというのはなかなか難易度が高いものです。
ではどうすれば良いでしょうか?
「少額投資で経験を積み重ねる」
これしかありません。
早く売りすぎて「利益確定」後にもっと上昇してしまったり、その反対に「利益確定」前に下落してしまって売るのが遅かったということもあるでしょう。
とくに後者の場合は損失となってしまう場合もままありますから、「少額投資」の原則は遵守してください。
株を売るタイミング(2)「損切り」
たとえば、ある会社の株を「買い注文」を出して10万円で購入したとします。
その後、株価が下落して9万円になったとしましょう。
ここで株を売った場合、1万円の損失が確定することになります。
これが「損切り」です。
「損切り」の重要性は「損失を拡大させないこと」にあります。
これも「利益確定」と同様にタイミングが非常に難しいものです。
とくに「損切り」は損失を確定させることに他なりませんので、心理的にも嫌なものです。
これも「少額投資で経験を積み重ねる」ことが重要です。
ただそれとともに「株を買う」前に「損切りルール」を決めてしまうことをおすすめします。
たとえば「買値よりも10%下落したらとにかく損切りする」といったようなものです。
なぜ「損切りルール」を「株を買う」前に決めてしまうことが大切なのかといえば、それだけ人の心理というものは損失を確定させることを避ける傾向にあるからです。
「少額投資で経験を積み重ねる」とともに、ぜひ事前に「損切りルール」を決めて、そのルール通りに実践してみてください。
株の売り方
ここからは「株の売り方」、株の売り注文の出し方について説明していきましょう。
株の売り注文の出し方は買い注文と基本的に同様です。
※ 「株の買い方」についてはこちら(投資初心者が押さえておきたい証券会社での株の買い方)をご参照ください。
3つの要素である「種類」・「量」・「価格」も買い注文と同じです。
ただ違いについてお話すると、現在ご自身で保有している「種類」と「量」の株しか売ることはできません。
また「価格」について「成行(なりゆき)注文」については買い注文と全く同じですが、「指値(さしね)注文」については、買い注文では指定した指値以下に株価がならないと買付が成立しないのに対し、売り注文では指定した指値以上に株価がならないと売付が成立しないことになります。
買い注文と同様、「指値注文」と「成行注文」、どちらが良くてどちらが悪いということはありません。
その時々の状況に応じて使い分けるのが良いでしょう。
ただ、「成行注文」では想定よりも低い株価で売れてしまう可能性がありますから、とくに投資初心者の方は「指値注文」を選択する方が無難です。
ここまでを踏まえて、「株を買う」というスタートから「株を売る」というゴールまで、まずは実践してみてください!