貯金0からの資産形成にせよ、既にある貯金の資産運用にせよ、共通しているのは「お金を増やす」ことです。シンプルに考えればこれしかないといっても過言ではありません。さてそれではお金を増やすにはどうしたら良いでしょうか?確実にお金を増やすコツや方法はあるのでしょうか?今回はこのお金の増やし方について一つヒントになることをお話していきます。
確実にお金を増やすためにまずは「単利」と「複利」の違いを理解しよう!
一口に「お金を増やす」といっても、実際には簡単な話ではありません。
ただ、まず理解しておかなければならないのは、「単利」と「複利」の違いです。
これについては以前に解説した記事がありますので、少々長いですが、以下に引用します。
単利・・・元本のみに対して利子がつく計算方法
複利・・・元本と前回までについた利子の合計額に対して利子がつく計算方法
言葉での説明だけだと少しわかりづらいかもしれません。一つ例を出して実際に計算してみましょう。
ex. 元本100万円で年利10%の銀行預金をしたとします(税金は考えないものとします)。
※単利と複利の違いを明確にするためにあえて高い年利にしています。<単利>
1年後の利子は、「年利(%)=1年間の利子(円)÷預入元本(円)×100」を変形して「1年間の利子=預入元本×年利(%)/100」で求めることができます。
ですから、100万円 × 10%/100 = 10万円 となります。
単利では、元本のみに対して利子がつくので、利子は2年後も3年後もその先もずっと変わらず10万円ずつです。
これを表にまとめると以下のとおりになります。
よって、単利によるn年後の元利合計を算式にすると、
n年後の元利合計(円)=預入元本(円)+預入元本(円)×年利(%)/100 × n(年) となります。
<複利>
1年後の利子は単利と同様の計算で10万円になります。
2年後の利子は元本100万円に前回の利子10万円の合計額110万円に対して年利10%がつきますので、110万円 × 10%/100 = 11万円 となります。
3年後の利子は元本100万円に元本100万円と1年後、2年後の利子の合計額121万円に対して年利10%がつきますので、
121万円 × 10%/100 = 12.1万円となります。
4年後以降もこれの繰り返しです。
これを表にまとめると以下のとおりになります。
※小数点以下四捨五入
よって、複利によるn年後の元利合計を算式にすると、
n年後の元利合計(円)=預入元本(円)×(1+年利(%)/100)^n となります。
このように「単利」と「複利」の違いだけで、年数が経過すればするほど、元利合計金額は大きな開きとなって表れます。
上記の例でいえば、元本100万円が10年後、「単利」では元利合計額200万円なのに対し、「複利」では元利合計額259万円と、実に59万円もの差が生まれることになります。
ここから導き出せる結論としてお金を増やすためには「単利」ではなく「複利」で運用するのが望ましいということになります。
お金を増やすために「複利」で運用するには?
お金を増やすために「複利」で運用するためにはどのようにすれば良いのでしょうか?
一つとしては、元本保証の定期預金や元本割れがほとんど考えづらい証券会社のMMF、中期国債ファンド等で運用するという方法です。
ただ一つ注意していただきたいのは、定期預金は銀行によって「単利」の場合もありますので、事前に「単利」なのか「複利」なのか調べておく必要があります。
またこの方法では一つ大問題があります。
以前こちら(「お金は銀行に預けるな」は本当に正しいのか?)でもお伝えしましたが、銀行預金はたしかに元本保証で手堅い金融商品ではありますが、その分肝心の金利が極めて低く、「お金を増やす」ことはほぼ不可能ということです。
これは証券会社のMMFや中期国債ファンドにもいえることです。
それではどうしたら良いのでしょうか?
もう一つ考えられる方法があります。
それは、株式や投資信託等で運用することです。
「え?株式や投資信託じゃ、損する可能性もあるんじゃ・・・」
と思われた方も多いかもしれません。
たしかに株式や投資信託では元本割れの可能性は避けて通れません。
しかし、元本保証やそれに近い金融商品では金利や利回りが低すぎて「お金を増やす」ことが難しい以上、株式や投資信託等でリスクを取ってリターンを狙いにいくのが必要不可欠といえます。
※ リスクとリターンの関係性についてはこちら(投資のリスクとリターンについて考える)を参照のこと。
それに株式や投資信託等で長期間上手く運用することができれば、ここまでお話してきた「複利」の効果を得ることができます。
この方法の問題は、「長期間いかに上手く運用するか」に集約されるといって良いでしょう。
それではこの問題をどのようにクリアすれば良いのでしょうか?
ここでそれを「こうすれば絶対です!」とお伝えできれば良いのですが、残念ながら市場は常に変動していますから、唯一無二とはいえません。
ただ、問題解決の糸口になるものとして、積立分散投資が挙げられます。
※ 積立分散投資についてはこちら(2016年、投資信託の積立で始める資産形成のおすすめ!)を参照のこと。
ここまでをヒントにご自身でもお金を増やすにはどうすれば良いかについて考えてみてください。
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