皆さんはデリバティブとはどういったものかご存知でしょうか?おそらく「聞いたことはあるけど、よくわからない」といった方が大半かと思います。ただ金融商品の中には仕組預金や仕組債をはじめとしてこのデリバティブが組み込まれているものが少なくありません。そこで今回はデリバティブ、デリバテイブ取引とは何か、どういった種類があるかについてわかりやすく説明していきます。
デリバティブ、デリバティブ取引とは?
デリバティブとは、株式や債券、金利、外国為替、etc.といった金融商品(これを「原資産」といいます)から派生したもので、日本語では一般に「金融派生商品」と訳されています。
デリバテイブ取引とは、このデリバティブを対象とした取引のことです。
このデリバティブ取引は、原資産となる金融商品のリスクを低下させたり、逆にリスクを増幅させて高い収益性を追求するために考案されました。
デリバティブ取引のメリットとデメリット
それでは、デリバティブ取引にはどのようなメリットとデメリットがあるでしょうか?
以下、簡単に説明します。
デリバティブ取引のメリット
リスクヘッジ
リスクヘッジとは、起こりうるリスクの程度を予測して、リスクに対応できる体制を取って備えることです。
このリスクヘッジがデリバテイブ取引最大のメリットといえます。
これは、たとえば原資産である株式(現物)の買いとデリバティブである先物の売りを組み合わせる等の方法により行われます。
流動性の向上
従来の原資産の取引にデリバティブ取引が加わることで、市場全体の取引に厚みが増すことになります。
これによって、デリバティブ取引は、結果として市場の急激な変動を避ける役割や市場の変動を先導する役割を担って、相場環境にかかわらず一定の流動性を確保するのに役立っています。
デリバティブ取引のデメリット
相場の急騰・急落の要因となる
デリバティブ取引によって上記メリットでお伝えした「流動性の向上」が行き過ぎてしまうことがあります。
この場合、流動性が過剰といえる状態になるため、相場の急騰・急落といった想定を超えた市場の変動を引き起こしてしまうことになります。
取引の複雑化・高度化
デリバティブ取引は、高等数学を用いた金融工学によって考案されたもので、この金融工学の発展とともに取引はより複雑に、より高度になっています。
ですから、一般の投資家の皆さんにとっては、非常に理解しづらいものとなってしまっています。
デリバティブ取引の種類
デリバティブ取引は、大きく分けると以下のとおり3種類あります。
「先物取引」・「オプション取引」・「スワップ取引」
これらの詳しい解説は別の回に譲るとして、今回は簡単にそれぞれの概要だけお伝えします。
先物取引
将来のある期日に一定の価格、数量で売買する約束をする取引のことです。
商品としては、日経平均先物、TOPIX先物、日本国債先物、etc.があります。
オプション取引
特定の商品をある期日にあらかじめ取り決めた価格で取引できる権利を売買する取引のことです。
商品としては、日経平均オプション、TOPIXオプション、個別株オプション、etc.があります。
スワップ取引
等しい価値のキャッシュ・フローを交換する取引のことです。
商品としては、金利スワップ、通貨スワップ、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)、etc.があります。
今回はデリバティブやデリバティブ取引とはどういうものか、デリバティブ取引のメリットとデメリット、デリバティブ取引の種類についてお伝えしてきました。
かなりざっくりとお伝えしたので、わかりづらい部分もあるかと思いますが、一先ずは全体像を大掴みにすると考えてください。
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