「投資=ギャンブル」というのは大いなる誤解に基づくものであるというお話を以前しました。他にも資産形成や資産運用する上で必須の「投資」と同一視されがちなものに「投機」があります。皆さんは「投資」と「投機」の違いをご存知でしょうか?今回は「投資」と「投機」の定義付けから、その違いについてお話していきます。
※ 「投資」と「ギャンブル」の違いについてはこちら(宝くじ買うなら投資すべき!?「投資=ギャンブル」は大いなる誤解!)でご確認ください。
「投資」と「投機」、それぞれの定義を知ろう!
ここでは、まず、「投資」と「投機」、それぞれの定義について以下に説明していきます。
「投資」とは
将来の収益を期待して、現在の資金を投じること。
「投機」とは
短期的な価格変動から生まれる価格差から利益を得ようとすること。
上記それぞれの定義付けだけ見ると、「投資」の”将来の収益を期待して、現在の資金を投じること”と「投機」の”短期的な価格変動から生まれる価格差から利益を得ようとすること”とそれほど大きな違いがあるようには思えないかもしれません。
また、「投機」の定義を”短期的な”としているので、「投機」は短期的な取引、「投資」は短期以外の中長期的な取引を指すのではないかと考えられがちです。
たしかに表面上を捉えると、「投機」が短期的な取引、「投資」が中長期的な取引とすることは間違いではありません。
しかし、「投資」と「投機」には、もっと本質的に大きな違いがあります。
「投資」と「投機」の本質的な違いとは・・・
もう一度上記の「投資」と「投機」、それぞれの定義付けをよく読んでみてください。
「投資」は、”将来の収益を期待して”という前提で、現在の資金を投じます。
一方で、「投機」は、”短期的な価格変動から生まれる価格差”が生じるという前提で、現在の資金を投じます。
ここで、前者の「投資」の場合、将来の収益が期待できるということは、理論上、リスクに対するリターンが期待できることを意味します。
一方で、後者の「投機」の場合、その市場の参加者が短期的な価格変動を上がるか下がるかのどちらかに賭けている状態ですから、市場参加者全体の損益合計はゼロとなるため、理論上、リスクに対するリターンが期待できないことを意味しています。
※ リスクとリターンについてはこちら(投資のリスクとリターンについて考える)を参照のこと。
つまり、市場参加者全体で見た時、「投資」は投資総額よりも換金総額が大きくなる(これを「プラスサム・ゲーム」といいます)のに対し、「投機」は投資総額と換金総額が等しくなる(これを「ゼロサム・ゲーム」といいます)ということです。
いかがでしょうか?
「プラスサム・ゲーム」である「投資」は、うまくいけば市場参加者全員が利益を得る可能性があります。
その一方で、「ゼロサム・ゲーム」である「投機」は、必ず勝者と敗者が生まれます。
もちろん、これを知って「投機」をしたいという方はそれも良しです。
個人で行える「投機」取引は、デイトレードなどの株式の短期売買やFX(外国為替証拠金取引)があります。
ただ、資産形成や資産運用を行いたいという方は、「投機」ではなく、「投資」を行った方が良いといえます。
本サイト「資産形成.com」は資産形成や資産運用を堅実に行いたいという方に向けたサービスですので、基本的には「投資」についてこれまでも、そしてこれからもお話していきます。
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