資産形成

資産形成の段階では「ポートフォリオ運用」に拘るべからず!

 

 

20〜40代、とくに30代、40代の資産形成層の皆さんは、資産形成方法の3つの基本ステップ(※)の一つ「投資」についてお悩みの方が多いかと思います。「投資」というと資産運用の段階での「ポートフォリオ運用」を思い浮かべる方が少なくありません。しかし、私たちは資産形成の段階で「ポートフォリオ運用」に拘るのはむしろ避けた方が良いと考えています。そこで、今回は「ポートフォリオ運用」とはどういったものかをお伝えした上で、資産形成の段階で「ポートフォリオ運用」に拘るべきではない理由についてお話していきます。

※ 資産形成の方法 3つの基本 稼ぐ・節約・投資【まとめ】を参照のこと。

 

資産運用で重要視される「ポートフォリオ運用」とは

「ポートフォリオ」とは、株式や債券、投資信託などの金融商品の組み合わせのことで、とくに具体的な金融商品の詳細な組み合わせを指します。

株式はどの銘柄を何株、投資信託はどれを何口保有するかなどを検討し、実際に購入することを「ポートフォリオを組む」といいます。

この「ポートフォリオ」、英語では”portfolio”と表記されますが、日常では”紙ばさみ”や”書類入れ”という意味で使われています。

これが語源となって、金融の分野では、元々海外で有価証券を”紙ばさみ”に挟んで保管されることが多かったため、転じて上記の”金融商品の組み合わせ”という意味で使われるようになったそうです。

ちなみに、よく混同されがちな用語に「アセットアロケーション」があります。

「アセットアロケーション」とは、資産配分のことで、運用する資金を「現預金」・「国内株式」・「外国株式」・「国内債券」・「外国債券」・「不動産」などの同様の特性を持つ金融商品ごとにグループ分けした資産にどのような割合で投資するのかを決めることです。

たとえば、運用する資金を100%とした場合、「アセットアロケーション」では「国内株式」に50%、「国内債券」に35%、「現預金」に15%といった具合に配分していきます。

これが「ポートフォリオ」では、さらにA社株25%、B社株25%、国債20%、C社債15%、定期預金15%といったように具体的な金融商品を選択していきます。

つまり、一般的に「アセットアロケーション」を行った上で、「ポートフォリオ」を組むという流れになります。

そして、この流れに沿って、性格の異なった複数の銘柄に投資することによって、より安定的な収益を上げるための投資の方法というのが、「ポートフォリオ運用」ということになるわけです。

 

資産形成において「ポートフォリオ運用」に拘るべきでない理由は・・・

ここでは、まず、以前にお伝えしましたが(※1)、資産形成と資産運用の違いについておさらいしておきます。

※1 なぜ!?資産形成と資産運用を分ける意味とは?を参照のこと。

資産形成は、現在、貯金が0円、ないしはほとんどない方が、最低1000万円の金融資産を築くことを指し、資産運用の前段階に当たります。

一方、資産運用は、既に1000万円以上の金融資産を保有されている方が、さらなる資産増加を求めたり、減らさないように資産保全することです。

ここで重要なのは、資産形成と資産運用の”スタート地点”の違いです。

資産運用では最低でも金融資産1000万円以上をスタート地点にしているのに対し、資産形成では概ね0円をスタート地点にしています。

ということは、資産形成における投資は、毎月の収入と支出の差額の黒字分を、月々ないしは数ヶ月分をまとめて逐次株式や債券、投資信託などの金融商品の購入に回す、いわゆる「積立投資」(※2)が基本となります。

※2 「投資が怖い」を克服するための初心者におすすめの方法とは?を参照のこと。

さて、皆さんは毎月の収入と支出の差額の黒字分をいくら投資に回すことができるでしょうか?

もちろん、皆さんそれぞれでばらつきが生まれるでしょうが、概ね月3〜5万円、多くて月10万円といったところでしょう。

それでは、月3〜10万円で「積立投資」をするとしましょう。

皆さんは、この金額と頻度で、先ほど申し上げたポートフォリオ運用を厳密に行いたいと思いますか?

ここで”厳密に”と言っているのは、リスクとリターン(※3)を考慮してリスクを最小化しリターンを最大化することを指しています。

※3 リスクとリターンの関係についてはこちら(投資のリスクとリターンについて考える)を参照のこと。

ほとんどの方が「それはさすがに面倒だし嫌だな」と感じたのではないでしょうか。

実はこう感じることが大切なところです。

つまり、資産形成において「ポートフォリオ運用」に拘ると途中で挫折する可能性が高いということです。

途中で挫折してしまっては、目的を達成することができないわけですから、元も子もないですよね。

これが、資産形成において「ポートフォリオ運用」に拘るべきではない理由です。

それでは、この毎月の「積立投資」を頻度を減らすのはどうでしょうか?

つまり、先ほどの3〜10万円で毎月というのを、9〜30万円で四半期(3ヶ月)ごと、18〜60万円で半年ごと、36〜120万円で1年ごとにするということです。

これであれば「何とかできるかも」と思った方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、これもおすすめできません。

なぜなら、投資頻度を減らすことによって「積立投資」の肝である”時間分散効果”(※4)が薄れてしまうからです。

※4 積立投資の代表格「ドルコスト平均法」のメリットと弱点を参照のこと。

このように、資産形成における投資では、「積立投資」の肝となる”時間分散効果”を最優先して、「ポートフォリオ運用」に拘りすぎないようにする方が持続可能性が高いといえるわけです。

もちろん、「ポートフォリオ運用」は金融資産を1000万円以上保有している状態からの資産運用においては必要不可欠です。

ただ、資産形成においては、「ポートフォリオ運用」というよりも、ざっくりと「アセットアロケーション」するくらいに止めておくのが現実的といえるでしょう。

これは、たとえば「月々浮いた10万円のうち、3万円はいざという時に使えるように銀行の普通預金に置いておこう。残った7万円は国内株式運用の投資信託に回そう」といった程度のものです。

効果を最大限追うことは当然大事にしなければなりませんが、短期的な効果ばかりに目を奪われて長期的な持続性を蔑ろにすることがないよう心がけていただければと思います。

 

 

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