皆さんは資産形成とはどういう意味かご存知でしょうか?資産形成をこれから実践していくにあたって、まずは言葉の意味するところ、定義付けをきちんと理解しておくことは非常に大切です。今回は資産形成とは何か、また資産形成と資産運用の違いについてお話していきます。
資産形成とは〜資産形成の意味〜
将来の自分と家族を養っていく資産を形成する(つくる)こと
資産形成というと四字熟語だしすごく難しい話でしょといった声が聞こえてきそうですが、まず言葉の定義をはっきりさせてみればどうということはない、上記のたったこれだけのことなんですね。
要は”将来の備えを早いうちからしっかりしましょうよ!”という話です。
若い世代のみなさんにとって厳しい時代になってきました。
国の財政問題が深刻化する中で、少子高齢化が進み、現在の年金制度を維持することが難しくなってきています。
それによって将来の生活が危ぶまれる事態にまでなってしまいました。
それどころか終身雇用や年功序列といった旧来の雇用制度が崩れ非正規雇用が増大していくことで所得が増えづらいまたは減っていっています。
その一方で増税や物価の上昇により支出が増え現金の価値が目減りしていくといった状況です。
これでは現在の生活ですら安心とはいえないでしょう。
こうした中多くの方が今現在や将来に対する不安を抱えながら日々の生活を送っています。
みなさんは現在や将来見込まれる収入の総額がどのくらいになるかイメージできていますか?
現在や将来自分や自分のご家族が生涯豊かな暮らしを送るのに必要な資金はどのくらいの額かご存知ですか?
これらを把握した上で将来の備えとして計画的に資金を貯めることができていますか?
この3つの問いかけに対してすべて既にできているという方は今すぐにこのページを閉じていただいて構いません。
あなたにはこれからお話することは必要ないでしょう。
既にできているわけですから。
ただ十分ではないなと感じたらこの先もおつき合いください。
どれか一つでもできていない、とくに全くできていないと思われた方はぜひこの先をお読みください。
イソップ童話の『アリとキリギリス』はご存知の方も多いと思います。
夏の間、アリはせっせと冬の食料を蓄えるために働き続け、キリギリスはバイオリンを弾き歌って過ごします。
やがて冬が来てキリギリスは食べ物を探しても見つからなくてアリに助けを乞いますが拒否されて餓死してしまうというちょっと怖い話です。
資産形成=将来の備えをするということはこの童話のアリになるようなものです。
ただ誤解していただきたくないのはみなさんがアリのようになるということを決めたからといって助けを求めに来たキリギリスを見捨てるようなひどい仕打ちはしないでくださいね。
資産形成と資産運用の違い
資産形成って言葉は初めて聞くけど、その代わり”資産運用”っていう言葉はよく聞くという方が多いのではないでしょうか?
とくに最近はいわゆるアベノミクスで株が上がったり為替が円安になったりして一部では盛り上がっていますから。
そんなの自分には関係ないよと思ったあなた。
あなたはおそらく資産運用ではなくて資産形成が必要といえるでしょう。
じゃあ、資産形成と資産運用って一体何が違うの?
言葉自体は前半の資産は同じで後半分が形成と運用で違っているけど、そんなに中身が違うものなの?
実はそんなに難しい話ではありません。
まずはみなさんがよく聞いているであろう資産運用についてその定義を考えていきましょう。
資産運用とは…「既に形成された資産のある方」が金融資産や不動産資産への投資を通じて、さらなる利益を求めたり、減らさないように資産を利用すること。イメージとしては10ある資産を配分を考えながら増やすこと。
一方で資産形成についてはどうでしょうか。
資産形成とは…「現在資産のほとんどない状態の方」が0→1→2→3→4→5と資産を着実に増加させていこうとすること。資産運用の前段階といえる。最低1000万円の金融資産までは資産形成の段階。
ポイントは、資産運用が「既に形成された資産のある方」といういわゆる貯蓄が既にあって余裕のある方にその対象を限定しているのに対し、資産形成は「現在資産のほとんどない状態の方」といっているように資産運用するほどの余裕がまだないすべての方を対象としているということです。
ですから、資産形成を”資産運用の前段階”としているわけですね。
ここで資産形成から資産運用に段階を移すに際して”最低1000万円の金融資産”で区切っているのはあくまで目安です。
現在や将来の人生設計や家族構成等によって人それぞれ必要なお金の額は違うでしょう。
ただ、たとえ家族を考えずに1人に必要なお金で十分という方でも、「すぐに使うお金」・「いざという時のためのお金」・「将来のために残すお金」と色分けする場合、1000万円は最低限ないと色分けして考えるのは難しいということは念頭に置いていただきたいところです。