株式売買の仕組みは対面型と非対面型に大別されます。それぞれのメリットとデメリットを知って証券会社選びの参考にしてください。またIFAを利用するという巷間あまり知られていない選択肢についてもお話します。また株式投資するにあたっての最低購入金額やリスク軽減のための分散投資の2つの方法についても概観していきます。
株式売買の仕組み〜対面型と非対面型のメリットとデメリット〜
みなさんが株式を売買するには、市場とみなさんをつなぐ証券会社を「通す」と決まっています。
ですから、まずは証券会社に口座をつくることが必要です。
証券会社は担当者がつく「対面型」と担当者がつかない「非対面型」に大別することができます。
以下、「対面型」と「非対面型」、それぞれのメリット/デメリットです。
※すべては網羅していません。代表的なメリット/デメリットと考えてください。
また各証券会社によって体制が大なり小なり異なりますので、当てはまらない場合もあることを予めご了承いただければと思います。
「対面型」
メリット:専門的な投資相談(情報提供や投資判断の補助)ができる。対面型でしか取引できない金融商品がある。
デメリット:手数料が高い。担当者によって質がばらつく。
「非対面型」
メリット:手数料が安い。PCのトレーディング機能が豊富。
デメリット:PCがある程度使えない方には少々難しい。情報収集に労力が掛かる。独力で投資判断を磨く必要がある。自身のネットワーク環境の問題等でシステムトラブルを起こす危険性がある。対面型でしか取引できない金融商品での運用ができない。
こう書き連ねると「非対面型」よりも「対面型」のほうが優れているように感じるかもしれません。
たしかにお客様本位で優秀な担当者がいるのであれば、手数料が高くても「対面型」のほうが良い場合が多いのも事実です。
ただし、そもそも勉強不足であったり、お客様本位ではなく自社(ないしは自分)本位で手数料稼ぎしか頭にない質悪な担当者も大きな声では言えませんが少なからずいます。
ですから「対面型」を選択される場合は担当者の良し悪しの見極めが非常に大切です。
またこういう「対面型」の担当者の課題を解決すべく、最近ではIFA(Independent Financial Advisor)と呼ばれる特定の証券会社に所属せずに独立・中立的な立場からお客様に資産運用のアドバイスを行うプロフェッショナルが増えています。
このIFAを通して取引するのも良い選択肢の一つといえるでしょう。
いずれにせよ一度ご自身の目で見て確かめてみること、その時に一つではなく複数みて比較してみることが大切です。
株式の最低購入金額はいくらか?
まず1株あたりの価格を株価といいますが、証券取引所に上場している株式の銘柄を購入するのに、どの銘柄も1株から購入できるわけではありません。
そういう銘柄も中にはありますが、実際はすごく少ないです。
では一体何株から購入できる銘柄が多いのでしょうか?
最も多いのは100株単位です。
これはたとえば株価が1,000円で100株単位の売買単位で取引されるとした場合、かけ算して10万円が最低この株式を購入するのに必要なお金ということです(実際はここに証券会社等に支払う手数料等が掛かります)。
また1株や100株の売買単位以外にも500株、1,000株といったものがあります。
「う〜ん、もう少し少額からはじめたいんだけどな〜」
そういう方のために何か方法はないものでしょうか?
実はそういった方のためには2つの方法があります。
それは「株式累積投資(るいとう)」と「株式ミニ投資(ミニ株)」です。
それぞれどういうものになるかというと以下のとおりになります。
株式累積投資(るいとう)
毎月一定額を株式で積み立てていく方法で、最低月額1万円から購入できる。
株式ミニ投資(ミニ株)
通常の売買単位の10分の1の株数で売買する方法。ただし売買単位が1株の銘柄は購入できない。
これらの方法は少額から長期間にわたって投資を継続するのに適した方法といえますね。
まったく投資経験のない方とお話するときによく言われるのが、「興味がまったくないわけじゃないんだけどね。これから将来のことを考えるとお金を増やさなきゃとも思っているし。でも投資するには大きなお金が必要でしょ。そんなお金は用意できないし・・・」といったものです。
ただここにあるように方法はあります。
資産形成するのに、株式投資するのに必ずしも多額のお金は必要ない、少額からでもできる。
これだけはぜひ覚えておいてください。
株式投資リスク軽減のための分散投資とは?
まずこの「分散投資」には大別すると2つの方法があることを知っていただきたいと思います。
その2つとは以下のとおりになります。
1. 銘柄の分散
2. 時間の分散
一つずつ説明していきましょう。
これは、株式投資に回すお金を複数の銘柄に分けて投資する方法のことです。
1つの銘柄に集中して投資するのは、値上がりする分には最も利益を上げることができますが、逆に値下がりしてしまうと最も損失を被ることになってしまいます。
そこで、複数の銘柄に投資することで、ある銘柄の値上がりが別の銘柄の値下がりをカバーするためにこの方法を使うことが勧められているのです。
ただ注意していただきたいのは、複数の銘柄といっても、たとえば同じ業種の会社の株式を複数銘柄持ってもその業種全体が低迷してしまったらそろって値下がりする可能性が高いので、これではリスクを減らすことにはなりません。
ですから、この方法のポイントは、異なる業種の会社の株式を複数銘柄持つなどお互いの値下がりリスクを相殺するような複数の銘柄を組み合わせることにあります。
分散投資の2つの方法
時間の分散
これは、購入予定の銘柄を一度にすべて購入するのではなく、2回以上に分けて購入時期をずらして投資する方法です。
株式投資で利益を上げるための鉄則は、「株価が安い時に買って、高い時に売る」です。
シンプルですがこれが最も大切です。
ただその銘柄の株価が現在安いのか高いのかを判断するには様々な方法がありますが、その判断が正しかったかどうかは時間が経過して初めてわかるものです。
そこで、自分の判断は常に間違えている可能性があるものという前提に立って、株式投資に回すお金を複数の銘柄に分散するとともに、その購入の時期も複数回に分けて投資することがポイントになります。
ただこの方法はそもそも現在業績が悪く、今後も業績の改善が期待できない(少なくともそう思われている)会社に対しては効果が乏しいですので、この点は注意が必要です。
巷間、分散投資というとそのほとんどが前者の「銘柄の分散」について説明されます。
ですが、「時間の分散」もそれと同等以上に大切なものになりますので、最初が肝腎ということで、この機会にぜひ理解してくださいね。