普段何気なく使っているクレジットカード。上手く利用すると資産形成に役立ちます。そこで今回は資産形成に役立つクレジットカード活用法と題して、クレジットカードがなぜ資産形成に役立つのか、クレジットカードのポイントの有効な使い道は何か、そしてクレジットカードのおすすめの使い方についてお話していきます。ぜひ今日から実践してみてください。
資産形成に役立つクレジットカード
みなさん、今お財布を開いたら少なくとも1枚はクレジットカードが入っているのではないでしょうか。
クレジットカードを良くお使いになる方も、あまりお使いにならない方にもご参考いただけるクレジットカードのお話をしたいと思います。
クレジットカードを使って商品やサービスを購入すると、翌月か翌々月に銀行口座からお金が引き落としになりますよね。
複数回払いやリボ払いにしない限り、購入した時に請求された金額がそのまま引き落としになります。
これを言い換えると「1ヶ月間〜1ヶ月間強、無利子でお金を借りられると同じ」と表現することもできます。
そういった意味では、クレジットカードには金融商品(もしくは金融サービス)としての側面が強くあります。
クレジットカードを利用して商品を購入すれば、当たり前ですが「ポイント」を貯めることができます。
「お店で現金でカバンを購入する」や「口座引き落としで水道光熱費を支払う」では、ただ単に手元からお金が出ていくだけですが、クレジットカードを使用すればポイントを貯めることができるのです。
これを少し難しい言い方をすると、「フロー」として出ていってしまうお金に「ストック」される部分を作り出せるということになります。
ストックされるポイントの効果がどの程度のものなのかというと、使用した金額に対して1%程度相当額の効果です。
つまり、クレジットカードを使用して100万円分の買い物をすれば、1万円程度の商品券や割引券等と交換することができるということです。『たいしたことないじゃん』と思った方、もう少しだけ読んでくださいね。
2015年3月現在の銀行の普通預金金利は平均で年率0.02%前後です。
単利と複利の違いはありますが、1年間に限定しての100万円がもたらす「効用」つまり「用いた」時の「効果」を比べてみましょう。
100万円を0.02%の銀行預金に預けた場合、1年後に得られる効用は「200円」です。
これに対して、100万円分の買い物をクレジットカードでした場合は「1万円分」の商品券等が手に入ります。
単純に比べてしまえば同じ100万円がもたらす効用は50倍もの違いがあるのです。
これは言い換えれば1万円分の金利を銀行預金の普通預金金利で得ようと思ったら実に5000万円もの元本が必要となるわけですから、雲泥の差があることが実感できるでしょう。
何もクレジットカードを利用してバンバン買い物をしようと言いたいのではありません。
ただ、どのみち生活していく上で使わなければならないお金なのであれば、使い方を工夫するだけで物凄い効果を手にすることができると言いたいのです。
クレジットカードは資産形成に役立ちますから、使いすぎはダメですが全く使わないのも損と言えます。
飛行機のマイルがお得?クレジットカードのポイントの有効な使い道
クレジットカードのポイントの効用は使用金額に対して1%程度ですが、これはポイントを商品券か割引券と交換した場合の効用です。
クレジットカードはポイントを何と交換するかによって効用のパーセンテージは大きく変わります。
つまり、効用を1%以上に上げることも可能になるということです。
では、何と交換すれば効用が大きくなるかというと、結論からお伝えしてしまうと飛行機の「マイル」です。
ポイントをマイルと交換すると1%以上の効用にすることが可能となります。
ただ、飛行機の航空チケット代金はシーズンによって値段にバラツキがあります。
たとえば、世の中の大半の人が休日となるGWや8月のお盆、年末年始は航空チケットが非常に高いシーズンです。
季節性や行く場所(国内・海外)の乾季・雨季等によっても値段にバラツキが出ることに関しましては予めご了承ください。
東京(羽田)から沖縄(那覇)に往復で飛行機に乗る場合、ANAのマイルを使用して航空チケットを予約すると1万マイル〜1万2千マイルが必要となります。この1万マイルを手にいれるためには1万ポイントが必要になります。
1万ポイントはクレジットカードの使用額としては100万円分の買い物が必要です。
つまり、クレジットカードを利用して100万円分の買い物をすれば、羽田から沖縄の往復チケットが手に入るわけです。
では、羽田から那覇の往復チケットを現金で購入したら、いくらくらいかかるのでしょうか。
シーズンや早割等の割引によっても違いがありますが、3万円から5万円くらいが平均チケット代となります。
みなさん、もうお気づきですね。3万円〜5万円の航空チケットが1万マイルによって手に入り、その1万マイルは1万ポイントつまりは100万円分のクレジットカードの使用によって手に入るわけですから、100万円がもたらす効用が3〜5%程度あるということです。
最近では格安航空会社も台頭してきていますが、格安航空券でも往復で3万円程度はかかる路線区間ですので、概ね3万円分程度以上の効果があるといえます。
3万円を1年間に限定して銀行で増やそうと思ったら、2015年3月時点の預金金利年0.02%ですと1億5千万円の預金額が必要です。
1年間銀行に1億5千万円の預金をしたのと同じ効果がクレジットカードを意識的に工夫して使うことによって手に入れられるなら、これを利用しない手はないと思います。
クレジットカードの賢い使い方
ここからはクレジットカード自体の賢い使い方についてお話していきましょう。
ポイントが貯まるのがメリットなのはわかるけれども、クレジットカードをあまり使いたくないなという方は、「いくら使ったか管理がしづらい」もしくは「使いすぎてしまう恐れがある」「引き落としのタイミングが予想と違うことがある」といった理由からではないでしょうか?
お店がカード会社に請求するタイミングが一律ではないので予期せず翌々月に引き落としがまとめて回って来たとか、手元に現金が無いからカード支払いにしたにもかかわらず当月に引き落としされて困ったという経験がある方も多いはずです。
そういった意味ではクレジットカードを使用する際には注意が必要なことは確かです。
では、クレジットカードを上手に使ってポイントを貯めて、引き落としのタイミングでつらい思いをしないようにするにはどうすれば良いかというと、「月々のランニングコスト」をクレジットカード払いにすれば良いのです。
月々のランニングコストって何かというと、水道光熱費や携帯電話代金、プロバイダーや新聞等の自分が生きて行く上で必ず毎月かかるお金のことです。
これから挙げる項目をみなさん計算してみてください。
もちろん、ご自身に関係ない項目に関しては無視していただいて構いません。
携帯電話、プロバイダー、水道光熱費、食費、交際費、美容室代、新聞代金、この項目だけでも月々5万円から10万円程度はいきませんか?
さらに、車がある方はガソリン代、毎月買うわけではないですが半年に1回の会社に通勤するための定期券代金、仕事をするためのスーツやカバン、Yシャツ、靴等の仕事関連出費も年間10万円程度はあるはずです。
女性の方は化粧品等の美容代金もいれてみてください(これは女性の観点からは働く上でランニングコストと呼んでいいはずです)。
ここまでで挙げた項目は毎日仕事をするために出社して、普通にご飯を食べて暮らしていくために必ずかかる出費なはずです。
みなさん計算結果はいかがですか?
おそらく月々にならすと10万円程度はありますよね?
月々10万円程度あれば年間で120万円はクレジットカードを切れる計算になります。
クレジットカードは使い過ぎてしまう恐れもありますが、月々のランニングコストだけでもANAやJAL系のカードで支払うだけで、毎年1回は東京—沖縄に行ける分のマイルを貯めることができるはずです。
クレジットカードで毎月のランニングコストを支払うだけで年間100万円なんて簡単にいくでしょう。
もっといってしまえば、みなさんの年間のランニングコストが100万円以下で生活できているのだとすれば、ちょっと意地悪な物言いですが、みなさんの銀行の預金残高はもっと貯まっているのではないでしょうか?
ここで挙げた以外の出費もきっとたくさんあるはずですよ。
ここまで見てきたように、クレジットカードを賢く使って、ポイントを効率的に貯めて、ぜひ資産形成にも役立てていってください。