いざ資産運用を始めようと思っても何から手をつけたら良いかわからないという初心者の方が少なくありません。資産運用を開始するにあたってまずは目標を定める必要があります。具体的には目標運用利回りを年何%に設定するかということです。今回はマイナス金利時代に初心者におすすめの目標運用利回りについて考えていきましょう。
前の記事:資産運用前に初心者が押さえておきたいマイナス金利の基礎知識
【マイナス金利時代の資産運用】資産運用初心者におすすめの目標運用利回りは年何%?
初心者におすすめの目標運用利回りは年3%!その理由は?
まず、資産運用を始めるにあたっては、目標とするリターン、許容できるリスクを決めておく必要があります。
これについては【1000万円から始める資産運用】初心者が陥りやすい勘違いとは?で詳しくお話しました。
ただ、初心者の方にとっては、許容できるリスクといってもイマイチどう考えれば良いかわからないというのが正直なところでしょう。
そこで、最初はどの程度運用によって利益を得たいかを軸に考えることをおすすめします。
ここで、資産運用の目的は現在既に保有している資産価値を保全することにあることを思い出してください。
※ 資産運用と資産形成の違いについてはなぜ!?資産形成と資産運用を分ける意味とは?を参照のこと。
つまり、一言でいってしまえばインフレによる現金価値の目減りに備えるということです。
マイナス金利の基本については資産運用前に初心者が押さえておきたいマイナス金利の基礎知識で解説しましたが、政府は「デフレ脱却」を掲げ、そのために日銀は年2%のインフレを物価安定目標に定めて、これを達成するために従来の量的・質的緩和を継続するとともにマイナス金利を導入しています。
そこで、初心者の方におすすめしたい目標運用利回りは年3%になります。
「え!?インフレに備えるためには年2%の目標運用利回りにすればいいんじゃないの?」という声が聞こえてきそうです。
たしかにその通りですが、これは日銀が物価安定目標を寸分違わずに達成したらの話です。
実際には日銀に限らず物価安定目標として年○%のインフレを達成することを掲げている国や地域の中央銀行は○%を中央値として±1%程度の幅をもってインフレ率を見ていることが多いです。
ですから、日銀の年2%のインフレという物価安定目標の場合であれば、年1〜3%(2±1%)ということです。
そうすると物価安定目標達成の上限に年3%が日銀の視野に入っているということですから、目標運用利回りは年2%ではなく、最低でも年3%を見ておく必要があるということになります。
また、この目標運用利回りを定めるにあたっての注意点としてはこの目標運用利回りは複利で考える必要があるということが挙げられます。
これを仮に単利で考えてしまうと、時が経過するとともにまったく違った計算結果になってしまうので、ここは必ず押さえておいてください。
※ 複利と単利については金利と利子、単利と複利。これを読めば自分で計算できる!を参照のこと。
さて、それでは目標運用利回りを複利で年3%に据えた場合、金額ベースでは運用によってどの程度増やしていくイメージになるかを見ていきましょう。
以下の図をご覧ください。
これは1000万円を元金として1年複利で年1%(青)・年2%(緑)・年3%(黄)でそれぞれ10年間運用した場合の元利金を表しています。
各々の10年後の元利金は、年1%が約1105万円、年2%が約1219万円、年3%が約1344万円となっています。
ですから、先ほどお伝えした目標運用利回り3%であれば、10年間で約344万円(=1344万円-1000万円)増やすイメージです。
元金が2000万円、3000万円、・・・という場合には、これに2倍、3倍、・・・と掛けていただければ、ご自身の現状の保有資産に照らし合わせてどの程度の金額を増やすイメージとなるかがわかります。
なお、ここまでお話した内容はあくまでも一例として捉えてください。
皆さんの目標とすべき運用利回りは、家族構成、資産や収支状況等によって異なる目標のほうが適している場合があります。
ただ、政府や日銀といった公的機関が目標とするインフレ率に歩調を合わせて資産価値の目減りを防ぐことを考えるのであれば、複利で年3%の目標運用利回りが有用ですから、ぜひこの目標に基づいて資産運用に着手していただければと思います。
具体的なマイナス金利時代の資産運用の方法についてはまた回を別にしてお話していきます。
まとめ記事に戻る:2017→2018年初心者向け資産運用のおすすめ!
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