当サイト「資産形成.com」を運営するリンクス(株)は毎月資産形成や投資の初心者向け無料セミナーを開催しています。毎回20〜40代を中心に幅広い年齢層の方に受講していただいております。今回はその中からある20代の女性(※)がセミナー受講後、私たちにどのような相談をし、資産形成や投資を実践していったかについてご紹介致します。
※ 事前にご本人の許可をいただいた上で掲載しております。
【資産形成相談】20代女性が投資を始めたきっかけとは?
個別相談に至った経緯と相談内容
今回ご登場いただくある20代の女性を仮にBさん(26歳女性)としましょう。
Bさんは当サイト「資産形成.com」を通じて「資産形成セミナー」と「投資入門セミナー」に受講のお申し込みをいただき、セミナー当日、予定通りセミナー会場となっている弊社セミナールームにお越しになられました。
セミナー受講中のBさんは熱心にメモを取りながらお聞きになられていた姿が印象的でした。
セミナー終了後、Bさんにご記入いただいたアンケートを見ると「投資相談を希望する」とのことでしたので、日程調整の上、後日改めてご面談致しました。
冒頭、「セミナーをご受講いただいたきっかけは何ですか?」とお聞きしたところ、Bさんは「最近ようやく年収が上がってきたんです。社会人になってからずっとコツコツ貯めてきたお金も300万円くらいになってきたし、預金しても増えないし、そろそろ投資を始めてみようかなと思ったんです。要はノリです!」とお答えになられました。
資産形成や投資を始めると考えると少々敷居を高く感じてしまいがちなものですが、20〜30代でこれらを始めている方の大半はこのような軽い気持ちで思い立ったことがきっかけとなっています。
Bさんは金融経済や投資に関して興味があり、当サイト「資産形成.com」の記事を時折読んではいたものの、もっと体系的に一から勉強して、具体的な資産形成や投資の実践方法を知りたくなったので、弊社のセミナーにお越しになられたとのことでした。
【資産形成相談】20代女性が投資を始めたきっかけとは?
資産形成は具体的にどのような順序で実践すればいいのか?
ここまでBさんのお話を聞いた上で、こちらからは安定的な貯蓄である預貯金や財形貯蓄、所得控除効果のある確定拠出年金(401k)、貯蓄型生命保険、収益の期待はできるもののある程度リスクのある株式や投資信託、またこれらをNISA(ニーサ)口座を活用して購入する方法等について、それぞれ簡潔に説明しました。
これに対してBさんは「最初はリスクの少ない貯蓄ができる商品からやってみたい」とのご意向でした。
そこで、Bさんに月々2万円程度の貯蓄型の生命保険(保険料10年短期払いプラン)をご提案しました。
Bさんは「既に300万円ほど貯金があるので、月々5万円くらいならできますけど」とおっしゃいましたが、こちらからは「生命保険は払込期間の途中で解約してしまうと基本的に損をしてしまいます。保険料を少額から始めてみて、生活費等を圧迫することなくできることがわかってから、月々の貯蓄額を増やしたほうがよろしいかと思います。今後、大きな出費が必要となる場合もあるかもしれませんし」とお伝えしたところ、最終的にBさんは月々2万円のプランを選択されました。
その1年後、再度面談した際、Bさんに「この1年間、月々2万円の保険料をお支払いいただいていますが、いかがでしょうか?生活費等圧迫されていませんか?」とお聞きしたところ、「まったく問題ありません。むしろ銀行預金がさらに増えて400万円くらいになりました。少しはリスクを取ってリターンを狙ってもいいのかなと思っています」とのお答え。
「リスクを取ってリターンを狙うなんて言葉がBさんから出るとは思いませんでした。この1年間、金融経済や投資の勉強をされましたね?」と聞くと、「まだまだですけど少しだけ」とBさんは少し恥ずかしそうにお答えになりました。
そこで、「NISA口座での運用を今年から検討されてはいかがですか?NISAで100万円(当時の上限。2016年からは上限120万円)を投資するなら、一度に購入するか積み立てで購入するかというところが問題になりますので、そこからお話しますね」という形で情報提供させていただきました。
Bさんの銀行預金400万円という貯蓄額の場合、NISA口座の非課税投資枠を一度に使う形で購入するか、それとも月々の積み立てで購入するか迷うところではありますが、面談時期が年末に近かったこともあり、この年は一度に非課税投資枠分を購入する形で投資するという方針に決まりました。
Bさんは「投資入門セミナー」もご受講いただいたので、株式や投資信託に関するリスクやリターンを事前にしっかりと理解されていましたから、購入手数料や信託報酬といったコストはかかるけれども分散投資効果を得られる投資信託、Bさんがご自身で調べてどうしても購入したいとおっしゃった日本株の個別銘柄を1銘柄購入していただくことになりました。
ここまでで、Bさんは貯蓄型生命保険と株式、投資信託といった3種類の金融商品を活用して資産形成や投資をすることなったということです。
ここで、この記事をお読みいただいている皆さんにぜひ覚えておいていただきたいことは、資産形成や投資をしていく上では、「何を買うか」以上に「いつ買うか(売るか)」、「どのように買うか(売るか)」が重要であるということです。
とくに新規のお客様とのご面談時にお話をしていて思うことですが、「どの金融商品を買うべきか悩んでいます」という方が多いように感じます。
もちろんどの金融商品を選び購入するかということも大切ですが、資産形成や投資はそれだけでできるというものではありません。
「いつ買うか(売るか)」や「どのように買うか(売るか)」もそれ以上に検討していただければと思います。
ただ、一つ注意点があります。
「いつ買うか(売るか)」というと「売買タイミング」のことと思われがちですが、実はそれだけではありません。
皆さん一人ひとりの「ライフステージに合わせたタイミング」も重要であると私たちは考えています。
その方のライフステージに合った金融商品を、適切なタイミングでお選びいただけるようにすることが私たちの役割です。
【資産形成相談】20代女性が投資を始めたきっかけとは?
「購入しない」という選択も資産形成の一環!
ここでBさんのお話に戻りましょう。
実は先日のBさんとのご面談の際、Bさんから「中古でマンションを購入しようか迷っています」とのご相談をいただきました。
結論からお伝えすると、「今は購入しないほうが良いのではないでしょうか」とアドバイスを致しました。
これは不動産市況や金利状況、経済情勢等を基にしてということになります。
Bさんが購入をご検討されていた物件は複数あり、資料をご持参いただいていたのですが、大体10〜20年程度で、45平米くらいの大きなワンルームタイプのものが多かったです。
中にはリフォームが完了しており、私の目から見てもモデルルームの写真を見たら格好良くて素晴らしいお部屋も沢山ありました。
弊社は提携先の不動産会社が数社ありますので、「自分で住んでもいいし、将来結婚したら貸してもいい。こんなイメージの物件が他にもあったら紹介してください」とBさんからご依頼いただきましたが、「今購入するのはお待ちになられたほうがよろしいのではないでしょうか」とお伝えしました。
続けて「今回は物件の良し悪しや住宅ローン減税が適用されるかどうかという細かい話は横に置いて、Bさんの人生のタイミングとして、今後ご結婚されるされるかどうか、ご結婚される場合にはお相手が自宅をお持ちの方かどうか、転勤が多い方かどうか等々挙げていったらきりがありませんが、こういったことをそういったことを一つひとつ考慮していった時、今の状況で欲しい家と結婚後に必要となる家には違いがあることは容易に想像できます」と率直にお話し致しました。
その上でさらに「ご結婚するかしないかはどちらにせよ、購入した後に賃貸として貸すことによって、ワンルームマンションであれば資産形成になるという側面もありますが、本日時点で既に築年数が10年、20年経過しているマンションですと、これから10〜15年後には築25年、35年になっています。この築年数になってくると、高齢化等の影響で入居者自体が減ってしまうというおそれもあります。そうなると、現在の計画通りに修繕積立費や管理費を集めることができずに、残った少数のオーナーや入居者で想定外に高額な管理費を支払い続けなければならないリスクもあるわけです。また、予定通りにローン返済できなくなってしまったり、売却することができなくなったり、といったリスクも考えられます。どうしても気に入ったマンションがあるとか、どうしてもマイホームという自分の城が欲しいという強いご希望があれば一緒にお探しします。ただ、どうしてもというほどではなく、今の賃貸の家賃がもったいないと感じているくらいであれば、今マンションを購入するというのは再度お考えになったほうがよろしいかと思いますよ」とアドバイスさせていただきました。
結果的に、Bさんは「もう少し人生の先の予定が立ってから再度マンション購入を検討します」ということで落ち着きました。
ここまででお分かりいただけたかと思いますが、弊社は「いつ購入するか」だけではなく、「今は購入しない」ということも率直にアドバイスさせていただいております。
購入するばかりが資産形成ではなく、「購入しない」と決断することもまた資産形成の一環なのです。
「何を購入するか」ということ以上に、この記事をお読みいただいている皆さんが「ライフステージに合わせたタイミング」を考えながら、Bさんのようにしっかりとした資産形成と投資を実践されていくことを切に願っております。