資産形成、資産運用が必要不可欠な時代になりました。資産形成と資産運用はとくに老後資金を目的とする(※)にあたってライフワークとすべきものです。それではライフワークとしての資産形成と資産運用とはどのようなものでしょうか?ここでは初心者の方がイメージしやすいように年代ごとのおすすめの目安についてお話していきます。
※ 初心者が資産運用を始める際に必要なたった一つのことを参照のこと。
ライフワークとしての資産形成と資産運用
ここではまず資産形成と資産運用の違いについておさらいしておきましょう。
資産形成と資産運用の違い
資産形成とは「現在資産がほとんど無い状態の方」が0から1→2→3→4→・・・と資産を着実に増加させていこうとすることです。
資産運用の前段階といえるもので具体的には最低1000万円の金融資産をつくるまでは資産形成の段階といえます。
一方、資産運用とは「既に形成された資産がある方」が金融資産や不動産資産への投資を通じてさらなる利益を求めたり減らさないように資産を利用することです。
ここでいう”既に形成された資産”というのは1000万円以上の金融資産を指します。
そして資産運用では10ある資産を資産Aに3、資産Bに3、資産Cに2、資産Dに1、資産Eに1といったように適切な配分を考えポートフォリオを組むことになります。
そうすると20代〜40代を中心に現在の保有金融資産が1000万円に満たない方は資産運用の前に資産形成に取り組む必要のあることがお分かりいただけるかと思います。
つまり、まず資産形成に注力した上で年代を追って徐々に資産運用にシフトしていく必要があるということです。
これをイメージしやすいように整理したのが以下の図になります。
年代ごとに実践すること〜自己投資・資産形成・資産運用・相続対策〜
一般に20代〜50代が仕事をバリバリこなす現役、60代以降が仕事をリタイアし年金生活に入る老後と呼ばれます。
上図にあるように20代〜50代の現役の期間中は資産形成をし続けます。
これは資産形成の目的によって異なりますが、とくに老後資金を目的とする場合には先ほど最低限としてお伝えした1000万円の金融資産をつくるまでで資産形成を止めてしまうと不足が出る可能性があるためです(※)。
※ 老後資金としていくら程度必要となるかについては現実を直視せずに「資産運用は不要」と思っていませんか?を参照のこと。
一方、資産運用は40代〜60代以降にわたって行います。
20代、30代といった早期から資産形成を実践すれば、40代、50代といった現役の期間中に1000万円以上のまとまった金融資産がつくれているはずです。
そこで40代と50代では引き続き資産形成をする一方で20代、30代につくった資産を運用するという資産形成と資産運用の両者を並行して行う必要があります。
そして現役をリタイアした60代以降の老後は資産形成を終えて資産運用に注力する期間です。
老後の資産運用は老後資金の取り崩しとの闘いになります。
上図では資産形成、資産運用の他に自己投資、相続対策とあります。
これらはこの後に説明していきますが、各年代で注力して実践する必要があるのは20代〜30代が自己投資と資産形成、40代〜50代が資産形成と資産運用、60代以降が資産運用と相続対策です。
初心者におすすめのライフワークとしての資産形成と資産運用のイメージ
それではここからは自己投資、相続対策を含めたライフワークとしての資産形成と資産運用のイメージを一連の流れとしてもう少し詳しく見ていきましょう。
以下の図をご覧ください。
自己投資と資産形成、資産形成から資産運用、そして相続対策へ
まず上図左側の資産形成ですが、資産形成の源泉は毎月の給料や半年、1年に1回のボーナスといった定期的な収入と毎月の家賃や食費、水道光熱費等の支出の差額になります。
この収支差額が現状で赤字あるいはトントンの場合は黒字にするところから始めなければなりません。
手っ取り早く収支差額を黒字にするためには支出を見直して減らす、無理のない範囲で節約するのが効果的です。
ここでは現状で収支差額が黒字である前提で話を進めていきましょう。
先ほど20〜30代に実践するのは自己投資と資産形成だとお伝えしました。
この2つのうちとくに将来にわたって収入が十分確保できない可能性があるという不安のある方は自己投資を優先する必要があります。
自己投資とは文字通り自分に投資すること、もう少し具体的にいうと将来の収入(上図の+αの部分)を増やすために現在の収支差額の黒字を自分への投資に回すことです。
たとえば現在の仕事のスキルアップを図るために関連する資格を取得すること等がこれに当たるでしょう。
ここでは具体的な方法論に深入りすることは避けますが、お金をかける以上に時間をかけて地道に積み上げていくことができるものを選ぶのがコツです。
自分磨きと称して華美に着飾ったり、人脈作りと称して無闇に飲み歩いたりすることは投資ではなく単なる浪費ですので、たまの息抜きとしては否定しませんが、自己投資とは明確に区別しておく必要があります。
収支差額の黒字に自己投資に回す投資資金を差し引いた部分が何もしなければ貯蓄として残ります。
この部分を積極的に資産を増やすために株式や投資信託などの金融商品へ積立投資します。
これを繰り返し継続していくことが資産形成です。
20代〜30代で自己投資と資産形成を行っていったら、40代〜50代では資産形成と資産運用の実践に移ります。
40代〜50代はまだ現役の期間になりますから、収支差額の黒字を株式や投資信託などの金融商品へ積立投資するという資産形成は続きます。
ただ、20代〜30代で積立投資した分が1000万円以上のまとまった金融資産となっている頃合いですので、ここからは上図右側の資産運用に着手していきます。
資産運用は適切な資産配分を考えポートフォリオを組むことですが、既に積立投資によってポートフォリオが組まれた状態にありますので、ここではポートフォリオを見直す作業が必要になります。
このポートフォリオを見直して再構築していくことをリバランスといいます。
資産形成では積極的に資産を増やすことを追求しますが、資産運用においては資産を守りながら増やすことを追求します。
ですから、この資産運用におけるリバランスでは資産形成で積立投資によって組んだ積極運用のポートフォリオを少しずつ安定運用に組み替えていくことがその作業の中心になります。
現役をリタイアして60代以降の老後をもう少しで迎えるにあたって40代〜50代は20代〜30代の攻め一辺倒ではなく攻めと守りのバランスを考えていくことが肝要です。
そして、40〜50代で資産形成と資産運用を行ったら60代以降では資産運用と相続対策の実践に移ります。
60代以降の資産運用は40代〜50代で積立投資した分を積極運用から安定運用へリバランスしていくことになります。
これで積極運用から安定運用への移行が完了します。
ただ、60代以降は現役をリタイアして老後生活に入るわけですから、これまでに資産形成と資産運用してきた金融資産を老後資金として取り崩すことになります。
この取り崩しで資産残高が途中で0(ゼロ)にならないためにも、また老後の頭の体操としても適宜一部分は積極運用しておいたほうが良いかと思います。
そしてもう一つこの期間に実践するのが相続対策です。
生涯を終える際に残った資産は相続財産になります。
遺されたご家族が遺産争いをするようなことのないように遺言を書いておく等のいわゆる終活を行う必要があります。
ここまでが年代ごとの自己投資と資産形成、資産形成から資産運用、相続対策に至るまでの一連の流れのイメージになります。
上図の最下部にあるようにこの一連の流れを円滑に行っておくためには「投資に関する知識と見識を身につけ経験を積んでいく」というのを地味に地道にコツコツと行っていくことが必要不可欠です。
最後に生涯を通じた資産残高の推移のイメージを以下の図にまとめました。
あくまでもイメージではありますが、ご自身のライフワークとしての資産形成と資産運用を考える上でご参考にしてみてください。
生涯を通じた資産残高の推移
ライフワークとしての資産形成と資産運用は現実に長い長い道のりです。
ただ、一つひとつの作業は難しいものではなく、また工夫次第で楽しみながら行うことができます。
必要性に迫られて仕方なく実践するのではなく、ぜひ積極的に楽しみながら実践していただければと思います。
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