株で資産運用 分散投資と集中投資、正しいのはどっち?

 

株で資産運用するにあたって「投資初心者は分散投資したほうが良い」というのはよく聞く話です。たしかに分散投資をすることによるメリットはあります。それでは分散投資が正しくて、分散投資とは対極をなす集中投資は間違いなのでしょうか?今回は分散投資と集中投資、どちらが正しい投資方法といえるかについて考えていきましょう。

 

株で資産運用
分散投資のメリット「卵を一つのカゴに盛るな」とは?

株で資産運用する場合の分散投資とは、投資に回すことのできる資金を複数の銘柄に分散して投資することをいいます。

この分散投資のメリットを説明するにあたって「卵を一つのカゴに盛るな」という格言がよく使われます。

 

分散投資のメリット「卵を一つのカゴに盛るな」のイメージ

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上図左側のように卵(=投資資金)を一つのカゴ(=投資対象)に盛ってしまう、つまり集中投資すれば、これを仮に落としてしまった場合、大きな損失を抱えてしまうことになりかねません。

一方で上図右側のように卵をいくつかのカゴに分けておく、つまり分散投資すれば、仮にこのカゴを一つ落としてしまったとしてもその他のカゴの卵は無事なわけですから、損失は限定されるということになります。

このように損失を限定することを目的として行うのが分散投資であり、これが分散投資を行うメリットといえるわけです。

 

株で資産運用
分散投資をすれば必ず損失を限定できるのか?

それでは、分散投資と称し銘柄を分散して購入したとして、どういった場合でも分散投資のメリットである損失を限定的にすることができるのでしょうか?

たとえば、ここで10年前に日経225連動型上場投資信託(銘柄コード:1321)を購入したとしましょう。

これはETF(上場投資信託)の一種で、文字通り日本を代表する株価指数である日経平均株価(日経225)に連動することを目指して運用されていますから、実質的に日経平均株価に採用されている東証1部に上場している225銘柄に分散投資することになります。

 

分散投資しても・・・

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日経225連動型上場投資信託(銘柄コード:1321)の月足チャート(2006/10〜2016/9)を基に作成

注:本チャートは将来の株価等を保証するものではありません。また当該銘柄を売買する際は別途手数料等が掛かる場合がございます。

 

上のチャートのように、2007年6月の高値18,550円から翌年、2008年10月の安値7,120円までたったの1年4ヵ月で実に6割超も下落した局面があります。

ちなみにその後、6年8ヵ月の期間を要して2015年6月には高値21,560円と安値から3倍超となっています。

ここで一ついえるのは、損失を限定することを目的として分散投資したとしても、2007〜2008年に起こったサブプライムショックやリーマンショックの時のように市場全体がパニックに陥り急落してしまった場合、分散投資のメリットを享受できずに大きな損失を被る可能性があるということです。

つまり、分散投資をすれば必ず損失を限定できるとは言い切れないということになります。

 

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銘柄選択を正しく行えば集中投資が有効となる場合も!

市場全体がパニックに陥り急落しまった場合、多くの銘柄が下落してしまうことになりますので、分散投資で損失が限定できなかったとしても、それなら集中投資すれば良いと結論づけることはできません。

ただ、銘柄選択(※)を正しく行った上であれば、集中投資が有効といえる場合もあります。

※ 株で資産運用 銘柄選択と投資タイミングはどちらが大事?を参照のこと。

上記リンク先でもお話したように、資産運用は長期投資が原則となりますから、銘柄選択と投資タイミングでは(どちらかといえば)銘柄選択のほうが重要といえます。

 

株で資産運用する場合は銘柄選択が大事!

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以下のチャートはあくまでも結果論ですが、たとえば10年前に全国トップの家具・インテリア製造小売りチェーンであるニトリホールディングス(9843)株を購入したとしましょう。

 

集中投資するなら銘柄選択が重要!

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ニトリホールディングス(銘柄コード:9843)の月足チャート(2006/10〜2016/9)を基に作成

注:本チャートは将来の株価等を保証するものではありません。また当該銘柄を売買する際は別途手数料等が掛かる場合がございます。またニトリホールディングス株を推奨している訳ではなく、あくまでも一例として取り上げております。

 

上のチャートをご覧いただくと、ニトリホールディングス株は2007〜2008年に起こったサブプライムショックやリーマンショックの時でさえ、2007年8月の高値3,310円から同年10月の安値2,255円と3割強の下落に止まっています。

これは先ほどの日経225連動型上場投資信託と比較すれば約半分の下落率で済んだということになります。

また、2007年10月の安値2,255円から見ると、8年9ヵ月後の2016年7月には高値13,630円と、実に株価は6倍強となっています。

これも先ほどの日経225連動型上場投資信託と比較した場合、2.5倍程度の上昇率ということになります。

このように、銘柄選択を正しく行うことができる前提で考えれば、集中投資というのも決して間違いと言い切ることはできません。

ただ、ここで前提として挙げた銘柄選択を正しく行うことは簡単ではないということも肝に銘じておく必要があります。

ですから、分散投資は集中投資と比べて手軽にできるという意味では無難な選択といえますし、一方で本格的に株式投資で資産運用したいという方は銘柄選択を正しく行って集中投資することにぜひ挑戦していただきたいと思います。

銘柄選択の方法論についてはまた別の回に詳しくお話していきます。

 

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