みずほ銀行が2021年1月から、70歳未満の方が新規口座開設に紙の通帳を発行するにあたり手数料がかかるようになります。三井住友銀行も同様に2021年4月から手数料がかかるようになります。
銀行といえば通帳というくらい馴染みのあるものですが、なぜ銀行は新規口座開設時の通帳発行に手数料をとることを決めたのでしょうか?
銀行口座新規開設時の通帳発行有料化がスタート
すでにお伝えした通り、2021年から新規口座開設をした方は通帳発行をすると手数料がかかる、通帳有料化がスタートします。2020年11月現在で以下の銀行が施策を発表しています。

最近ではネットバンクも馴染みのあるものになってきていますので、通帳がないということに抵抗がない方もたくさんいらっしゃるとは思います。しかし、メガバンクがなぜこのような施策を行う必要があるのでしょうか。そこには銀行の収益構造と財務状況が関係していると言えます。
銀行の収益構造と財務状況が関係している
銀行の収益の柱の一つとしてあるのが、企業や個人のお客様などに融資を行う際の貸出金利による収益です。融資を行うための資金は、個人のお客様から預金(普通預金・定期預金)という形でお預かりしています。
ところが、昨今の超低金利時代、特に2016年に導入されたマイナス金利政策の煽りを受け貸出金利が低下しており、収益が押し下げられてしまいました。収益構造や財務状況が以前とは変わってきたのです。
どこかでコストカットしたい。となったときに、実は通帳というのは銀行にとってコストであるということなのです。
印紙税とは?
実は紙の通帳の場合、1口座あたり200円/年の印紙税がかかっているのをご存じでしたでしょうか?
メガバンクのように口座数が何千万とあると、たとえ200円といえどもバカになりません。
デジタル通帳にすると、この印紙税をカットできるというのが銀行としては最大のメリットといえます。以前、三菱UFJ銀行がデジタル通帳に切り替えると1000円贈呈というキャンペーンを実施していましたが、銀行側からすれば1000円払ってでも切り替えてもらいたい大きなコストであるということなのです。
デジタル化の推進も背景にあり
他にも理由として考えられるのは、デジタル化の推進です。一部外資系銀行やネットバンクでは、すでに通帳がない銀行も多く、昨今のデジタル化を推進していく流れに乗っていきたいという側面もあるでしょう。
金融業界はIT化が遅れている業界と言っても過言ではありません。 通帳を廃止し、インターネットで残高などを見ることができるようにする、手続もインターネットでできるようにするなどのことを普及していく意味合いもあることは否めません。
まとめ
2021年からみずほ銀行や三井住友銀行で新規口座開設者を対象に、通帳有料化がスタートしますが、この流れはいずれ業界全体に波及する可能性が高いといえます。
また、今は新規口座開設のお客様に限定されていますが、既存のお客様にも波及していくことも想定されます。
今まで無料だったサービスも今後有料化してくる可能性もありますので、新聞やニュースで動向を確認していくといいでしょう。