物価を測る指標のことを物価指数といいます。
卸売物価指数、小売物価指数、輸出入物価指数、etc.と様々ありますが、もっともよく使われる物価指数は消費者物価指数です。
ちなみに名目GDPから実質GDPを算出する時にはGDPデフレーターという物価指数を用います。
消費者物価指数とは全国の世帯が購入するモノやサービスの価格の平均的な変動を測定したものです。
わが国では総務省が毎月発表しています。
みなさんが家計において購入するモノやサービスの直接的な価格変動を表していますので、消費者物価指数は経済の体温計といわれることもあります。
ちなみにこの消費者物価指数を英語で表すと”Consumer Price Index”というのですが、わが国でもアルファベットの頭文字をとって略称としてCPIという言葉が専門家の間ではよく使われます。
どのように作成しているかについてはかなり込み入った話になるのでざっくりとだけいいますが、総務省が調査している小売物価統計調査の小売価格の平均から個別の指数を作成し、これも総務省が調査している家計調査からウェイトを作成、統合して全体の指数を作成しています。
それでここからが少々ややこしくなるのですが、わが国ではこの消費者物価指数をさらに3つに分けてその時々で使い分けしています。
その3つとは総合指数(CPI)、コアCPI、コアコアCPIと呼ばれるものです。
先ほどお話した消費者物価指数は総合指数(CPI)のことを指しています。
これを基準として生鮮食品を除いた指数をコアCPI、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除いた指数をコアコアCPIとしています。
これをどのように使い分けているかといいますと、よく新聞やニュース等で「物価が◯%上がった」というようにいわれる時は総合指数、最近アベノミクスへの期待等で経済政策に注目されることが多くなりましたが、この経済政策上では天候等の条件によって価格変動が激しい生鮮食品を除いたコアCPIが使われます。
また2014年後半から原油が大幅に下がっていますが、原油価格を含めたエネルギー価格と食料(酒類を除く)を除いたコアコアCPIはたとえばG20財務大臣・中央銀行総裁会議のような国際会議の場で議論される際によく使われています。
ここで注意しなければならないのは、日本でいうところのコアコアCPIが世界的にはコアCPIと呼ばれているということです。
こんなところにも良くも悪くも日本の常識は世界の非常識がありましたね。
もちろんこの常識はあくまでも専門家の間での話ではありますが・・・