確定拠出年金(401k)の制度変更は何を意味するのか?

2016年5月14日、衆院本会議にて改正確定拠出年金法が成立しました。これにより2017年1月から専業主婦や公務員、企業年金に加入している会社員の2600万人超が個人型の確定拠出年金(401k)を利用できるようになります。それではこの制度変更は何を意味するのでしょうか?今回はこれについて考えていきましょう。

確定拠出年金(401k)とはどういう制度なのか?

まずは確定拠出年金(401k)とはどういう制度なのかお話していきましょう。

確定拠出年金(401k)とは、拠出された(互いに出し合った)掛金が個人ごとに明確に区分され、掛金とその運用収益との合計額をもとに給付金が決定される年金のことです。

企業が掛金を拠出する「企業型」と、加入者個人が掛金を拠出する「個人型」の2つに分けられます。

ここで注意していただきたいのは、「企業型」については勤務先でこの「確定拠出年金制度」を導入していなければ加入できない、また「企業型」と「個人型」のどちらか一方にしか加入できないということです。

確定拠出年金(401k)のメリットは何といっても節税メリットにあります。

詳しくは節税メリットを見逃すな!確定拠出年金(401k)と税金をあたっていただきたいのですが、まとめると以下の図のとおりになります。

確定拠出年金(401k)の3つの局面での節税メリット

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上図にあるように、掛金の拠出時・掛金の運用時(運用期間中)・年金や一時金の給付時というすべての局面で税制上の優遇措置があり、節税メリットがあるといえます。

一方で、確定拠出年金(401k)のデメリットとしてよくいわれるのが、60歳まで資産を引き出せないということです。

ただ、これはデメリットとして捉えることもできますが、老後資産形成のために活用するという目的をはっきりさせることに繋がっているわけですから、デメリットとばかりもいえないでしょう。

確定拠出年金の制度変更で何が変わったのか?

冒頭でお話した今回の改正確定拠出年金法の成立によって2017年1月からどのような制度変更となるのでしょうか?

一言でいってしまえば、これまで個人型の確定拠出年金(401k)の対象から外れていた専業主婦や公務員、企業年金加入者が対象となり、すべての現役世代の方が利用できるようになるということです。

この制度変更について詳しくはメリット拡大!?確定拠出年金(401k)の制度改正をご参照ください。

それではこの制度変更は何を意味するのでしょうか?

これについては今回の改正確定拠出年金法成立にあたって法案(確定拠出年金法等の一部を改正する法律案)を国会に提出した厚生労働省が制度趣旨として「企業年金制度等について、働き方の多様化等に対応し、企業年金の普及・拡大を図るとともに、老後に向けた個人の継続的な自助努力を支援するため」(出典:厚生労働省HP)といっています。

ここに「老後に向けた個人の継続的な自助努力を支援するため」とありますが、これは明らかにより多くの国民が老後資産形成のために「貯蓄から投資へ」と向かうことを意図していると読み取れます。

たとえば、今回の制度変更で個人型の確定拠出年金(401k)を利用できるようになる専業主婦の方は年276,000円まで掛金として拠出できます。

これは月額でいうと23,000円(=276,000円÷12ヶ月)です。

これを現在30歳の方が60歳までの30年間、毎月拠出するとします。

この時、運用利回り(1年複利)が年0%、1%、3%、5%の場合、各々の年金額の推移は以下の表のようになります。

運用利回り別年金額の推移

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上表の30年後の具体的な金額をお伝えすると、運用利回り0%が828万円、1%が965.2万円、3%が1334.3万円、5%が1882.9万円です。

最も運用が上手くいった年5%と全く運用をしなかった年0%では、1054.9万円(=1882.9万円-828万円)と、実に倍以上の差が生まれることになります。

このように、これからはご自身で投資して資産形成をするという自助努力が必要不可欠といえるわけです。

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