マイホーム(住宅)購入資金【結婚後に関わってくる3大資金①】
ここでは一般的なマイホーム(住宅)を想定してお話していきます。
マンションなのか戸建てなのかによっても、希望エリアによっても物件価格にかなりの差がありますが、一般的なケースとしては3000〜5000万円が最も多い価格帯です。
頭金の相場は物件価格の1〜2割程度なので、その場合は300〜500万円が初期費用として掛かってきます。
まだ20代の方で35歳前後でのマイホーム(住宅)購入をお考えの方は約10年の準備期間がありますが、一般的には準備期間は1〜5年程度という方が多いでしょう。
このマイホーム(住宅)購入の頭金準備については「財形住宅貯蓄」を利用するのも一つの手です。
ここでお伝えしたいのはマイホーム(住宅)購入時の頭金ではなく、住宅ローン返済中に重要になってくる「繰り上げ返済」に関してです。
住宅ローンはそもそも金融機関からの借金ですから、お金を借りている期間、つまりローン期間が長くなればなるほど多くの利息を支払わなければなりません。
利息の支払いは人生全体でみれば明らかにマイナスのお金ですので、ローンのある間は元金を繰り上げて返済する「繰り上げ返済」を優先して考える必要があるといって良いでしょう。
お金を貯めているのに自分の好きなタイミングで下ろして使うことができないといった貯金の方法では、適宜実行していきたい繰り上げ返済に対応することは難しいといえます。
ですから、この繰り上げ返済をタイミング良くいつでもできる状態にしておくことが重要です。
子育て(教育)資金【結婚後に関わってくる3大資金②】
子育て(教育)資金としては、大学や大学院、専門学校へ行くことが前提というわけではなく、お子さんの才能や興味に合わせて様々な進路に対応できるように貯金しておくことが重要です。
あくまでも目安ですが、お子さんが15歳時点で350万円、18歳時点で500万円程度の貯金があれば、かなり柔軟んい進路対応ができるはずです。
ここでお伝えしたいことは、上記の350万円や500万円という金額はお子さん一人あたりに用意する貯金額であり、2人、3人とお子さんが増えていく場合には、その都度貯金を増やしていく必要があるということです。
仮に、お子さん一人につき18歳時点で400万円の貯金を目標にしたとしても、年間約22万円(=400万円÷18年)の貯金が必要となり、月計算すると月々約2万円の貯金が必要となります。
これが、2人のお子さんなら月4万円、3人のお子さんなら月6万円の貯金が必要となり、それぞれのお子さんの成長に合わせて掛かってくる学習塾やピアノ等の習い事、部活動や課外活動に掛かる用具・合宿費用、携帯電話料金等の毎月の出費と合わせると、柔軟な進路のための教育資金の準備を一人あたり月々2万円の貯金で賄っていく作業がどれだけ大変であるかということはご理解いただけるはずです。
さらに、お子さんご自身の希望する進路が、15歳や18歳の節目のタイミングでやって来るとは限りません。
世界的に有名なプロスポーツ選手や芸術家を目指すような場合は、幼少期や小中学校、高校という高等教育より前の時点での海外留学等も視野に入れる必要があるでしょう。
これらを勘案すると、子育て(教育)資金は、マイホーム(住宅)購入資金と同じように、お子さんのためにタイミング良くいつでも使える状態を作っておくことが重要といえます。
老後の生活資金【結婚後に関わってくる3大資金③】
ひと昔前とは違い、退職金や公的年金がアテにならない時代です。
転職が当たり前になった現在、退職金のあり方が変わっていますし、そもそも大企業でも退職金なしという会社もあるくらいです。
さらに、少子高齢化の進行を考えれば、老後の生活資金の大きな支えであるはずの公的年金に期待することも厳しい状態であることは疑う余地がありません。
つまり、老後の生活資金を自助努力で準備する必要があるということです。
老後やセカンドライフが到来するまでに残された時間は人によって差がありますが、老後の生活資金は長期的な視野に立って、時間を上手に活用し、賢く貯金していくことが重要といえます。
ここまでお読みいただければ気づかれた方も多いと思いますが、結婚後に関わってくる3大資金「マイホーム(住宅)購入資金」「子育て(教育)資金」「老後の生活資金」には、異なるスタンスでの貯金の方法が必要となってきます。
「マイホーム(住宅)購入資金」と「子育て(教育)資金」については、いつでもお金を引き出すことができる状態が必要であり、「老後の生活資金」については、長期的な視点で時間を活用した賢い貯金が必要であるということです。
これをまとめると以下のとおりになります。
1. いつでもお金を引き出すことができる → 「マイホーム(住宅)購入資金」「子育て(教育)資金」
2. 長期的に時間を活用した賢い貯金 → 「老後の生活資金」
通常であれば、この両者は相容れないものですが、これをワンストップに実現するのは無理なのでしょうか?
いいえ、無理とは言い切れません。