銀行は間接金融の代表的な担い手です。
ここから銀行の機能について見ていきますが、大きく分けると3つの機能があります。
1. 金融仲介機能・・・貸し手と借り手の仲介
2. 信用創造機能・・・通貨量を増やす
3. 決済機能 ・・・口座振替、送金
一つずつ見ていきましょう。
参考記事:これだけは知っておきたい銀行の種類と機能
1. 金融仲介機能
これは家計や企業から預金を集めて家計や企業、政府へ融資するという貸し手と借り手の仲介をすることです。
これがうまく機能している時には、経済活動がうまく回っているといえますから、景気が良い状態といえます。
逆にこれが機能しづらくなっていると不景気、とくに機能不全を起こすと記憶に新しい2008年にあったリーマンショックのような事態になることもあります。
2. 信用創造機能
実は銀行はみなさんから集めた預金のすべてを、企業等に融資しているわけではありません。
銀行は一部を現金で手元に残し、残りを貸し出しています。
ここで、企業等に貸し出されたお金はその取引先等に支払われ、取引先等はその一部をまた銀行に預金します。
これを繰り返すことによって預金通貨というお金が新しく生み出され、銀行預金の残高はどんどん増えていくことになります。
ちょっとわかりづらいかもしれません。
たとえば今、銀行の預金が100円だったとします。
このうち90円を企業Aに貸し出して、残りの10円は銀行が現金で手元に残します。
続いて融資を受けた企業Aは、90円を取引先の企業Bに支払います。
ここで企業Bはこの90円を銀行の預金に預けます。
これを一巡として、また銀行は90円の預金のうち81円を企業Cに貸し出して、残りの9円は銀行が現金で手元に残します。・・・とこれをずっと繰り返していくわけです。
すると、銀行の預金は最初100円だったのが、90円、81円、72.9円と増えていくことになります。
これを計算すると以下のようになります。
100+90+81+72.9+65.61・・・=1,000(円)
つまり最終的に預金量は1,000円まで増えていくということです。
上記の計算は無限等比級数の公式を用いていますが、ここに踏み込むとさらに込み入ってくるのでここまでに止めておきますね。
ここでは、預金と融資を繰り返すと結果的に預金量は増えていくことだけ理解してください。
3. 決済機能
銀行の預金口座を利用することによって、現金を使わずに口座振替で送金や公共料金の支払いができます。
これについてはみなさん、日常生活で利用している方が多いと思いますので馴染みがあるのではないでしょうか。
以上、銀行の3つの機能を見てきましたが、これらの機能を支えているのは銀行の信用です。
先ほどお話にでてきましたが、2008年に起こったリーマンショックはこの銀行の信用が著しく低下したことで、これらの機能が損なわれる事態になりました。
そしてそれが世界全体に大きな不景気をもたらしたのは記憶に新しいところです。
このように銀行というのは、重大な社会的責任を負っているといえます。
ただ現在の国内外の銀行が、その自覚をしっかり持てているのかどうかは疑問に思う部分もありますが・・・
みなさんはどう思われるでしょうか?