不動産投資は、マンションやアパートの不動産を購入し、その不動産から収益を得るという投資方法です。
やり方はいくつかありますが、例えば建物を購入して貸し出す方法や、購入した建物を購入時より高い金額で売却し利益を得る方法もあります。
「老後のための資金作り」「子供のために資産を残したい」「副業として安定収入を得たい」と考える人は、不動産投資を始めようと思っていることでしょう。
しかし、不動産投資についてどんなメリットやデメリットがあるのかを理解している人は、少ないのではないでしょうか?
どうすれば不動産投資がうまくいくのか。
ここでは、リスクをできるだけ回避して安心できる投資を目指すために、不動産投資のメリット・デメリットについて説明していきます。
参考記事:不動産鑑定士が語る不動産とは?不動産の定義と価格の決まり方についてわかりやすく解説
不動産投資のメリット
不動産投資はいわゆる「ミドルリスク・ミドルリターン」と言われています。
と申しますのも建物の家賃収入であれば、一定の入居者さえ維持できれば安定した収入の確保ができるためです。そのため数ある投資手法の中でも、このような安定性は不動産投資の大きなメリットでしょう。
また、ある程度長い目で収入を安定させて得たい場合などは、不動産投資活用のメリットは多いと言えます。
不動産投資は節税にもなる?
不動産の減価償却により、所得税や住民税が軽減されます。不動産の建物を所有すると、時間の経過で価値が落ちてくると仮定すれば、一定の方法により価値の目減り分を必要経費に充てることが可能です。そこで物件の耐用年数と償却率により、いくらを必要経費にできるかが分かります。
例えば、築23年の木造アパートを購入した場合、建物部分の価値が4,000万円のとき、4年間毎年1,000万円の減価償却が可能です。個人が不動産を所有している場合は、個人の給料などから不動産の損失を引くことができます。
万が一、不動産の減価償却がそのまま不動産所得のマイナスになっていた場合は、確定申告で給料などの所得から1,000万円引くことができるので実際手元にお金が入ってきますが、所得を0円にすることも可能です。
その結果、所得税や住民税を0円にすることができます。
不動産投資は相続税対策にも有効か?
結論を申しますと有効な側面もあります。
不動産の相続時の評価は、土地については路線価から、建物については固定資産税の評価額から不動産評価を出します。
そして土地の評価額は、相続の時に一定の条件を満たすと一定の大きさまでは居住用では80%、投資用では50%も評価額を減らすことができます。
このように、不動産を所有することは相続税の対策としても大きなメリットがあるのです。
不動産投資の利回りは?
利回りには、表面利回りと実質利回りというものがあります。
表面利回りとは、年間の家賃収入の総額を物件価格で割った数字です。
例えば、年間の家賃収入が400万円で物件価格が3,000万円だと
400万円÷3,000万円≒13%
となり、表面利回り約13%になります。
一方で実質利回りとは、年間の家賃収入から年間にかかる諸経費を引いたものを、物件価格に購入時の諸経費を足したもので割った数字を指します。
例えば、年間の家賃収入が400万円で年間にかかる諸経費が100万円、物件価格が3000万円で購入時の諸経費が200万円だとすると
(400万円-100万円)÷(3,000万円+200万円)≒9.3%
となり、約9.3%の実質利回りになります。不動産投資物件を購入する際に、表面利回りの数字が記載してある物件資料であれば、営業の方に年間にかかる諸経費(例えば電気代、水道代、定期清掃費用、警備費用など)も確認することが大切です。
しかし、利回りの良さだけでは判断するのは失敗のもとです。
例えば、物件価格は安くても家賃が高ければ利回りは高くなります。一方で相場に合わないほど高い家賃では、入居者は集まりにくくなります。利回りだけを見て判断せず、物件の築年数や相場の家賃などのリサーチをすることが大切です。
不動産投資のデメリット(リスク)
「ミドルリスク・ミドルリターン」と呼ばれる不動産投資ですが、もちろんリスクは発生します。場合によってはハイリスクにもなりかねませんので、投資について十分に学ぶことが大切になります。
主なリスクは次の通りです。
融資におけるリスク
金利には変動金利と固定金利があります。変動金利は金利情勢に左右されるため、金利上昇によるリスクが高まります。一方、固定金利は返済期間の金利が変わらないので、金融情勢の影響を受けずリスクが低くなります。
ただ逆に、市場金利が低くなってもそのままの金利なので、市場金利の動向によっては割高になるでしょう。
このように、融資においては金利が大きく影響するので、リスクとしての把握が必要です。
物件運用におけるリスク
空室が多ければ、家賃収入は減ってしまうため、空室によるリスクも注意が必要です。また、入居者がいても家賃の滞納の可能性があり、度合いによっては融資返済にも悪影響を与えかねません。
さらに部屋で自殺や殺人、不審死などがあった場合は事故物件となってしまい、入居者が集まりにくく、現在の入居者も離れてしまう可能性が高まります。
不動産投資のリスクはどう回避すべき?
不動産投資を行う場合は様々なリスクを想定し、余計な失敗を避けるために慎重な検討が必要になります。また、不動産投資によって何を実現したいかなどの目的を整理して計画を立てることが必要です。
例えば物件選びでは、立地条件や入居者が納得する設備があるか、周辺には買い物する場所やバス停・銀行・病院などがあるかを事前にリサーチし、物件を選ぶ必要があります。
また融資を受ける場合も、団体信用生命保険、地震保険、火災保険などに加入し、万が一の時に備えることも重要です。もちろん毎月の融資額も返済できる範囲で設定することが大切です。そして融資に関しては、信頼できる営業マンと出会えることが大切と言えます。
まとめ
不動産投資の特徴や仕組みはどうしても専門的な知識が必要になります。基本的な知識は身に付きますが、専門的な部分や細かい部分は独学で理解するのはなかなか難しいです。
そこで専門家や第三者の立場からアドバイスができる、独立系ファイナンシャルアドバイザーなどに相談をしてみるのがいいでしょう。
そして、不動産投資にはリスクも存在します。これらのリスクを十分に把握すること、しっかりと投資計画を立てることで、安心して踏み出せるはずです。