資産運用の目的はお金を増やすことではない?

資産運用の目的はお金を増やすことではない?

資産形成.comにおいて資産運用とは、自身の保有する資産を貯蓄や投資し効率的に資産を増やしていくことだと定義づけしました。

そうすると「資産は十分あるし、別にに増やしたいとは思わない」という声も聞こえてきそうです。

しかし、厳密にいうと資産運用の必要・重要性は資産を増やすことだけでなく、お金の価値を減らさない点(資産保全)も押さえたいところです。

そこで今回は資産保全にスポットを当て、資産運用の本来の目的についてお話していきます。

そもそも「資産運用=金融商品への投資」ではない

そもそも「資産運用=金融商品への投資」ではない

資産運用という言葉は、あいまいな使い方をされがちなところがあります。

よく誤解されやすいのは資産運用は”運用”という響きから連想して、株式や投資信託などの価格変動リスクの大きい金融商品に投資することだということです。

しかし冒頭にもお伝えした通り、資産運用とは自身の保有する資産を貯蓄や投資し、効率的に資産を増やしていくことです。

したがって、もちろん金融商品への投資も資産運用の一部に含まれますが、元本保証の預貯金などに貯蓄することもまた資産運用の一部であるということになります。

さらに資産運用の肝はポートフォリオ運用(※)にあることは以前お話た通りです。

※株式や債券など異なる複数の資産に分散して投資する手法

あわせて実に誤解されやすいところなのですが、銀行の預金も金融商品の一つに数えられます。

つまり銀行預金にお金を預けっぱなしにしておくことも、「預金100%」のポートフォリオ運用をしていることに他ならないというわけです。

資産保全における資産運用の必要性、重要性を問い直す

資産保全における資産運用の必要性、重要性を問い直す

資産運用の醍醐味というと金融商品への投資を行うことを通して、お金自身に働いてもらって資産を増やすことにあるのは確かです。

ただ、これを意識しすぎると資産運用の本質を見誤る可能性があります。

しかも冒頭にもお話したように「資産は十分あるし、別に増やしたいとは思わない」、という声が出てくる原因ともなってしまいます。

では資産運用の本来の目的とはどこにあるのでしょうか?

それはお金を増やすということよりも、お金の価値を減らさないこと(資産保全)にあります。

ここで「え!?どういうこと?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

そこでもう一歩進んで話をすると、お金の価値を減らさないこと(資産保全)とは、長期間にわたるインフレ(物価上昇)に備えることです。

たとえば、今年以降インフレ(物価上昇)率がずっと年2%で推移した場合、36年後、物価は現在の2倍になります。

物価が上昇することはお金の価値が下落することです。

ですから、この場合、36年後に物価が現在の2倍になるということは、お金の価値が現在の1/2になってしまうということなのです。

ということは、現在1000万円の資産を保有していたとして、仮に36年後も資産が増減なく1000万円だったとすると、36年後の1000万円は現在の500万円(=1000万円×1/2)分の価値しかないということになります。

つまり、見た目上はお金の増減がなくても、お金の価値は物価の上下によって増減するということなのです。

ただし、ここで以下のような疑問を持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

「これから確かにインフレになるかもしれないけど、長期的に物価が上がると預金などの金利も上がるって話を聞いたことがあるんだけど?」

実は過去のインフレ(物価上昇)率と金利の推移を見ていくと、そうとは言い切れません。

ではどうすれば良いのでしょうか?

一言でいえば、インフレ(物価上昇)率以上を運用目標として、資産運用の肝であるポートフォリオ運用をすれば良いということです。

ただ、これは難しく考えないでください。

ここで先ほどお伝えした、銀行預金も金融商品の一つであるというお話に戻ります。

皆さんは預金にお金を預けっぱなしにしている時点で、「預金100%」という資産運用の肝であるポートフォリオ運用を既にしています。

ですからこのポートフォリオ運用を、【リスクを考慮しながら預金以外の金融商品を組み入れていく作業をする】、ただそれだけなのです。

ここまでのお話でおわかりいただけたでしょう。

資産運用の本来の目的はお金を増やすことではなく、お金の価値を減らさないこと。

そして、これから長期的にインフレ(物価上昇)となる前提でいえば、1000万円以上の金融資産(※)を保有する方にとって、資産運用は必要であるということです。

※1000万円未満の金融資産の方はまずは資産形成が必要です。

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