今回は「確定拠出年金(401k)と税金」と題して、確定拠出年金(401k)の税制についてお話していきます。
この確定拠出年金(401k)は、通常の運用を行うよりも総じて節税メリットのある制度です。
しっかり学んでご自身やご家族の資産形成に役立てていってくださいね。
参考記事:確定拠出年金制度(DC/401k)を始める前に、これだけは知っておきたい基本用語
確定拠出年金(401k)の節税メリットは3つの局面で享受できる!
確定拠出年金(401k)の節税メリットは「拠出時」・「運用時」・「給付時」という3つの局面、つまりすべての局面で享受することができます。
各局面一つずつ見ていきましょう。
拠出時
拠出時においては、まず加入者個人が拠出した掛金額は全額「所得控除」の対象となります。
一方、企業の拠出した掛金額は全額「損金算入」となります。
ここで、「所得控除」とは所得税で税額を計算する際、税率を掛けて税額を算出する前に総所得金額から差し引く控除のことをいいます。
また「損金算入」とは法人税法上、必要経費として認められる費用のことで、企業の所得を算出する際に利益から差し引くことができます。
ですから、この確定拠出年金(401k)では、加入者個人が掛金を拠出する「個人型」と企業が掛金を拠出する「企業型」のどちらも各々加入者個人、企業にとって節税メリットがあるといえるわけです。
運用時
運用時においては、利子・配当・分配金・売却益等運用によって生じた収益は非課税となります。
これは、通常の運用では20.315%の源泉分離課税されますから、ここでも節税メリットが生まれることになります。
ただ、企業は年金資産(掛金+運用益)に対して特別法人税(および特別住民税)が課税されます。
といっても、現在、低金利の環境下にあるため、2017(平成29)年3月31日までの間に開始する事業年度については課税が停止されていますので、時限がありますが実質非課税となっています。
給付時
給付時においては、老齢給付金についてその受取が年金か一時金かによって、取り扱いが異なります。
老齢給付金
年金受取の場合は、所得の種類は「雑所得」となり、「公的年金等控除」の対象となります。
一方で、一時金受取の場合、所得の種類は「退職所得」となり、「退職所得控除」の対象となります。
ここで、「雑所得」とは所得の一種で、公的年金等他の9種類の所得のいずれにもあたらないもののことをいいます。
また「公的年金控除」とは、雑所得の金額を計算する際に総収入金額から差し引く控除のことです。
「退職所得」については、これも所得の一種で、退職に際して「勤務先から受ける退職一時金や一時恩給、国民年金法等にもとづく一時金等」のことをいいます。
また「退職所得控除」とは、退職所得の金額を計算する際に収入金額から差し引く控除のことで、退職所得の金額はこれを差し引いた後の金額に1/2を掛け合わせたものになります。
以上が老齢給付金を受け取る場合の税制で、各々に控除の対象となりますので、節税メリットがあるといえます。
ちなみに他の給付については、どのような税制が敷かれているかを以下に見ておきましょう。
障害給付金
年金・一時金ともに非課税となります。
遺族給付金・死亡一時金
所得税は非課税となりますが、相続税の課税対象となります。
脱退一時金
退職所得として所得税の課税対象となります。
確定拠出年金(401K)と税金 図で理解しよう!
ここまででお話した確定拠出年金(401k)の税制を図にまとめると以下のとおりになります。
上図を眺めて各局面の節税メリットを理解するようにしていただければと思います。
またこの局面とは別に、もう一つ「移換時」の税制について触れておきましょう。
加入者が離職・転職した場合の個人の年金資産の移換や、確定給付型の企業年金から確定拠出年金への移行については、所定の手続きを前提として、所得税は非課税となります。
確定拠出年金(401k)は「ポータビリティ」を有するゆえにこの局面でも控除等の節税メリットとまではいかずとも税制上有利といえますね。
確定拠出年金(401k)は財形年金貯蓄と比較して節税メリットが大きい!
ここで「財形年金貯蓄」との制度間の比較を簡単にお伝えしていきます。
財形年金貯蓄では掛金の拠出時には節税メリットがありません。
それに対して、上記でお伝えしたように確定拠出年金(401k)では、掛金の拠出時に個人型の場合でいえば「所得控除」の対象になりますので、税制メリットがあります。
また運用をきちんと計画的に行っていく前提ではありますが、インフレ対策という意味合いでも財形年金貯蓄より確定拠出年金(401k)のほうに軍配が上がるといえるでしょう。
以上の点から考えれば、どちらかの制度利用の選択を迫られた場合、確定拠出年金(401k)を選択したほうが良いと判断できます。
このようにして各々の制度の特徴、メリットとデメリットを一つずつ理解した上で、横断的に比較することは非常に大切なことです。