【資産形成相談】30歳男性不動産のプロが選んだ投資方法とは?
個別相談に至った経緯と相談内容
普段から当サイト「資産形成.com」を通じて金融や経済を学んでくださっていたKさん(30歳男性)が、ご多忙なスケジュールの合間を縫って、弊社のセミナーに参加されました。
Kさんは投資用ワンルームマンションの販売を手がける大手不動産会社の営業パーソンで、インフレに対応できる資産形成の一環として、ご自身でも既にワンルームマンションを2室保有されているとのことです。
このような背景のKさんから、セミナー受講後に「個別で資産形成の相談がしたいです!」とご要望をいただきました。
Kさんは「不動産や金融商品には種類に応じて一長一短が必ずあって、不動産だけとか金融商品だけで資産形成や資産運用がうまくいくはずがないと思っています」とおっしゃられ、ご相談前からしっかりとした知識をお持ちでした。
もちろん、不動産投資に関してはプロでいらっしゃるので、今回のご相談内容は「金融商品の特徴を活かした資産形成のための投資を実践したい!」というものです。
参考記事:不動産鑑定士が語る不動産とは?不動産の定義と価格の決まり方についてわかりやすく解説
【資産形成相談】30歳男性不動産のプロが選んだ投資方法とは?
不動産投資と金融商品への投資との違い
個別相談にあたって、まずご情報提供させていただいたのは資産形成をしていく上で、不動産投資と金融商品への投資、それぞれのメリットとデメリットは何かについてです。
まとめると以下のとおりになります。
不動産投資のメリットとデメリット
【メリット】
銀行をはじめ金融機関等からの借り入れ(ローン)を活用してレバレッジ(※)を効かせることができる場合が多い。
※レバレッジとは当初投資する金額に対して数倍の取引を行うこと。
【デメリット】
ドルコスト平均法(※)等を活用した積立投資には向かない。
参考記事:不動産鑑定士が語る不動産とは?不動産の定義と価格の決まり方についてわかりやすく解説
金融商品への投資のメリットとデメリット
【メリット】
ドルコスト平均法等を活用した積立投資をすることができる場合が多い。
【デメリット】
不動産投資に比べてレバレッジを効かせた取引には向かない(※)
※ここでは資産形成を行う上での投資のため、株式投資の信用取引やFX(外国為替証拠金取引)は対象外。
Kさんは不動産(ワンルームマンション)投資のプロですし、先ほどお伝えしたようにご自身でワンルームマンションを2室保有しているわけですから、既にレバレッジを効かせた資産形成を実行されています。
これは裏を返すと、金融商品への投資のデメリットを補えているということです。
このため、今回は不動産投資には不向きな、ドルコスト平均法等を活用した毎月の積立投資を中心にお話していく方針となりました。
今回のKさんに限らず、金融や不動産のプロの方たちの個別相談に応じる場合、事前にご自身が得意とされている分野で資産形成や資産運用を実行されていることがほとんどです。
そして、その道のプロは、ご自身の専門分野で「できること」と「できないこと」を正確にご理解されているので、この「できないこと」を補うのが私たちの役割といえます。
【資産形成相談】30歳男性不動産のプロが選んだ投資方法とは?
Kさんが最終的に選択した投資方法
ここまでのKさんへのヒアリングと情報提供を基に、Kさんのご意向をまとめると以下の3点になります。
①ドルコスト平均法等を活用した毎月の積立投資がしたい。
②インフレに対応できる手法を取り入れたい。
③毎月積み立てる金額は1〜3万円の範囲で無理のない金額で行いたい。
①についてはこれまでにご説明した通りです。
②についてですが、インフレに対応できる、つまりインフレに強いといわれる資産は大別すると、不動産、現物資産(ex.金などの貴金属)、株式の3つになります。
このうちKさんは既に不動産には投資済みである点を考慮した上で、かつ③の1〜3万円の範囲での無理のない金額とのご意向を汲んで、株式を取り入れた形での積立投資の方法をいくつかご提示しました。
相談が進むにつれてKさんは「不動産はある程度集中投資の側面がありますよね。リスクヘッジ(※)のためにも私は物件を分けて2室保有していますが、数千万円という大きな金額を集中投資していることに変わりありません。
※リスクヘッジとは起こる可能性のあるリスクの程度をあらかじめ予測して、リスクに対応できる体制を整えること。
ですから、株式を一つの銘柄に限定して投資するよりも、少額でも複数の銘柄に分散投資していくほうが、現在の私にとっては合っているように思います」とおっしゃられました。
さすがですね。
ご自身の現在の状況を冷静に分析し、自分自身にどのようなものが合うかというところまできちんとご理解されていらっしゃいます。
最終的にKさんは、株式の分散投資効果を得ることを重視しつつ、平日は仕事でご多忙のため運用を一定以上任せるという観点もお持ちです。
加えて証券口座とNISA口座を開設した上で、投資信託を中心にドルコスト平均法を活用した毎月の積立投資していくことをご選択されました。
ここで最後にお伝えしておきたいことがあります。
最近、金融商品への投資にせよ、不動産投資にせよ、資産形成や資産運用を行う上で「どちらがより優れているか」というような極端な情報が目立つように思います。
しかし、今回のKさんの個別相談事例からもお分かりいただけるように、それぞれのご意向、家族構成やライフステージ、職業や収入、保有資産の状況等に応じて、適した投資対象は異なります。
また、金融商品への投資と不動産投資、双方のメリットとデメリットを勘案すると、「両方とも必要である」ということも少なくありません。
そこで、投資において唯一無二の絶対的な方法は存在しないということを、肝に銘じていただければと思います。
ですから、Kさんの選択された投資方法はKさんに適していても、皆さんに適しているとは限りません。
これを踏まえて、ぜひご自身に合った投資方法を見つけていっていただきたいと切に願っております。