支出面から見たGDPをその内訳から少し詳しく見ていきましょう。
この支出面から見たGDPの内訳は、内閣府発表の国民経済計算(GDP統計)によれば、主に5つの項目に分けられています。以下にこれについて説明します。
参考記事:【経済の意味と仕組み】GDP(国内総生産)を簡単にわかりやすく解説!
1. 民間最終消費支出
家計と民間非営利団体によるモノやサービスへの支払いのこと。とくに家計による支出を家計最終消費支出といいますが、これは一般的に”個人消費”と呼ばれています。
2. 政府最終消費支出
公共サービスに伴う政府によるモノやサービスへの支払いや公務員への給料の支払い等のこと。
一般的に”政府支出”と呼ばれています。公共サービスは、市場での取引を通じて提供されないため、その価値は公共サービスの提供に必要な費用をもって計上されています。
3. 国内総固定資本形成
住宅投資、設備投資、公共投資等の固定資本の追加分のこと。
投資の一項目。
固定資本とは簡単にいえば長期間にわたって利用または所有するモノのことです。
4. 在庫品増加
原材料・仕掛かり品(製造途中にある製品)・売れ残った製品等の増加分のこと。
これも投資の一項目。
実際の経済活動ではモノが売れ残る場合がありますので、(民間)企業が家計に代わって支出したとみなすことにしています。
5. 財貨・サービスの輸出入
モノ・サービスの輸出から輸入を引いた差額のこと。一般的に”純輸出”と呼ばれています。
上記5項目をもう少し簡潔に分けていくと、民間最終消費支出を個人消費(C)、政府最終消費支出を政府支出(G)、国内総固定資本形成と在庫品増加を合わせて投資(I)、財貨・サービスの輸出入を純輸出(X-M)と表すことができます。
この支出面から見たGDPは”支出”であることから、国内総支出(GDE)と呼ばれることがあります。
よって以下のとおりの式で表すことができますね。
国内総支出(GDE)= 個人消費(C)+ 政府支出(G)+ 投資(I)+ 純輸出(X-M)
今回は言葉の羅列と算式でなかなかイメージがしづらくて少し難しかったかもしれません。
ざっくりとで構いませんので、上記の算式だけでも頭の片隅に置いていただければと思います。