【FP目線で考える】給与明細とは?給与明細の見方と記載されている項目について

【FP目線で考える5】給与明細とは?給与明細の見方と記載されている項目について

先日、友人と会話をしている時にこんな話題が出てきました。

彼の言い分は、

「給与明細を見てみたら、給料から色々引かれていて、結局手元に残るのはこんなものなんだ。」

というものです。

給与明細で確認するのは、どれくらい銀行口座に入ってくるのかという部分が重視されていて、その過程でどんなものが自動的に引かれているのかというのはなかなか考えることがないのかもしれません。

そこで第5回目は、給与明細について見ていくことにします!

給与明細に記載されている項目は、主に「勤怠」「支給」「控除」「差引(振込)支給額」の4つとなります。ここでは、みなさんのお金にまつわる部分を見ていきましょう。

給与明細に記載されている項目 ①支給

支給の部分には、基本給や各種手当、時間外手当(残業手当)など、みなさんの収入となる部分が記載されています。定期代などの通勤費もここの部分に記載されます。

基本給

基本給はみなさんのベースになる賃金であり、手当などを除いた「基本」の賃金です。

各種手当

各種手当は様々な手当がありますが、役職手当や営業手当、資格手当などがこちらの項目に該当します。

時間外手当

時間外手当は、いわゆる残業代です。規定時間外に労働した社員に支給される手当の一種となります。

通勤費

通勤費はみなさんの定期代など、通勤にかかる費用を会社が負担してくれている金額です。通勤費は1ヶ月当たり15万円までは、非課税扱いとなります。

給与明細に記載されている項目 ②控除

給与明細に記載されている項目 ②控除

控除の部分には、健康保険料や年金保険料、税金など、収入をもとに自動的に控除(天引きと言います)されるものが記載されています。つまり、支給額から差し引かれる部分の明細ということですね。

健康保険料

みなさんとその扶養されている家族に対して、病気やケガ、死亡、出産について保険給付を行うための保険が「健康保険」です。保険料は労使折半となっており、みなさんが拠出している分がこちらに記載されています。標準報酬月額に保険料率を掛けて計算された金額が徴収されます。

標準報酬月額とは?

標準報酬月額とは、毎月の保険料(健康保険や介護保険、厚生年金保険)を計算しやすくするための基準となる金額のことです。

ここでは詳しい説明は省きますが、簡単に言えばみなさんのお給料の月平均額といったところでしょうか。

詳しくはこちらの全国健康保険協会のサイトで確認をしてみてください!

(参考)全国健康保険協会HP  標準報酬月額・標準賞与額とは?

介護保険料

40歳以上の方は介護保険の加入が必須となりますので、その保険料である「介護保険料」が徴収されます。40歳未満の方はこちらの項目には金額が記載されていません。標準平均月額に保険料率を掛けて計算された金額が徴収されます。

厚生年金保険料

厚生年金についても、給与から天引きされています。厚生年金保険料は実は労使折半なのはご存知でしたでしょうか?ですので、こちらで徴収されているのは、みなさんの負担分となります。こちらも標準平均月額によって徴収額が変わってきます。

雇用保険料

雇用保険料は、皆さんが失業した場合に必要な給付を行ったり、再就職を助成するための保険で、雇用保険料は労働者のみなさんも負担しています。

所得税

所得税

所得税は、収入(課税対象の基本給や手当の合計額)から、社会保険料(健康保険料や厚生年金保険料など)と雇用保険料を引いて、残った金額を給与所得の源泉徴収税額表にあてはめて、徴収されます。ですので、サラリーマンの方はここで所得税を支払っているため原則確定申告は不要ということになっています。

(参考)国税庁HP 給与所得の源泉徴収税額表

ただし、あくまでも源泉徴収された所得税額です。最低限の控除しかなされていません。ですので、年末調整という行為でこの源泉徴収された所得税額と、実際に控除などを行った際に実際に払う所得税額を調整します。年末調整は、ただ印鑑を押して紙を提出しているだけの煩わしいものではありませんので、気を付けましょう!

住民税

住民税は、所得税と同じく収入(課税対象の基本給や手当の合計額)から、社会保険料(健康保険料や厚生年金保険料など)と雇用保険料を引いて、残った金額に対してかかる税金で、税率は一律10%と固定されています。

所得税は、「その年の1月~12月の収入に対してその年に納付」しますが、住民税は「前年の収入に対して、翌年6月から翌々年5月にかけて納付」します。

よく新卒1年目よりも2年目の方が給料の手取りが少ない!という風に言われますが、それはこの住民税の徴収が原因です。1年目は前年が学生で所得がないケースが多いため、住民税が徴収されず、2年目は1年目の所得に対して課税されるため住民税が新たに徴収されるというケースが多いためです。

給与明細に記載されている項目 ③差引(振込)支給額

こちらには、実際に支給額から控除額を引いた、みなさんの銀行口座に振り込まれる金額が記載されています。

ここまで読んできた方ならわかる通り、

①支給-②控除=③差引(振込)支給額

となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?こんなに引かれているの?と思った人もいたかもしれませんね。

給与明細を今まで眺めたことがないという方も、その内容をしっかり把握するためにご自身の給与明細を見てみてはいかがでしょうか?

本日はここまでになります。過去の記事もぜひご覧になってみてください!
参考記事:【FP目線で考える】なぜ日本は金利が上がらないのか?

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