相続とは?手続きと進め方の流れ10ポイントをわかりやすく解説

相続とは?手続きと進め方の流れ10ポイントをわかりやすく解説

相続手続きは人生で何回も起こるものではありません。したがって、実際に相続が発生した時にはわからないことだらけで、何をすればよいのかわからない!という方も多いのではないでしょうか?

ここでは、相続が発生した時にどのような手続きが発生するのか、どのように進めていけばよいのかを見ていきましょう。細かい部分については、後のページで見ていきますので、当記事では大まかな流れを把握することとします。

相続手続きの流れ

相続とは、ある人が死亡したときに、死亡された人(以下、被相続人といいます)の財産(遺産)を配偶者や子などの親族(以下、相続人といいます)が引き継ぐことを言います。

では、以下に相続発生時の流れを説明していきます。

~相続手続きの流れ①~銀行など金融機関へ連絡をする

~相続手続きの流れ①~銀行など金融機関へ連絡をする

まずは被相続人が亡くなったことを、取引している金融機関(銀行、証券会社、信用金庫など)へ通知をする必要があります。亡くなったことを聞いた金融機関は預貯金口座の取引を止めます。これにより被相続人の預貯金は入出金できなくなります。

どの金融機関と取引があるのかについては、生前から共有しておいてもらうと、スムーズに手続きを進めることができるのではないかと思います。

また、ここでは詳しくは記載しませんが、金融機関に必ず提出する書類として戸籍謄本と印鑑証明書があります。

~相続手続きの流れ②~年金の手続きを行う

被相続人が年金を受け取っている場合は、年金事務所へ「年金受給者死亡届」の提出が必要になります。年金を受け取っている方が受け取っていない年金などについては未支給年金として、生計を一にしていた遺族が受け取ることが可能です。

また、一定の遺族の方は遺族年金等を受け取ることが可能です。まずは一度、年金事務所へご連絡をしてみましょう。

~相続手続きの流れ③~遺言書の有無の確認

~相続手続きの流れ③~遺言書の有無の確認

遺言書がある場合は、その遺言書に沿って相続手続きを進めていく必要があります。まずは、遺言書があるか確認をしてみましょう。

遺言書には「自筆証書遺言」や「公正証書遺言」などがあります。「自筆証書遺言」は自分で作成した遺言、「公正証書遺言」は公証役場にて作成した公的な書類による遺言となります。

「公正証書遺言」は公証役場にて大切に保管されているのですが、「自筆証書遺言」の場合は、自宅の机の中や金庫の中に大切に保管されているケースが多いですので、注意して探してみるとよいでしょう。

~相続手続きの流れ④~相続人の確定

誰が相続をする権利があるのかを確認します。法定相続人・法定相続割合というものがあり、誰がどの割合で相続するかが法律で決まっています。これは後の⑧の遺産分割協議にて変更することが可能です。

また、被相続人が遺言を作成している場合は、その遺言に沿って相続人を確定します。

~相続手続きの流れ⑤~相続財産の確定

~相続手続きの流れ⑤~相続財産の確定

被相続人が、どのような財産を保有していたのかを確認する必要があります。預貯金や株式・投資信託などの有価証券、土地・マンション・家などの不動産のように、相続人へ承継される財産のことを「相続財産」といいます。

この際に気を付けなければならないのは、相続財産にはプラスの財産のみならず、マイナスの財産(つまり借金など)も含まれるということです。

~相続手続きの流れ⑥~相続放棄・限定承認<期限は3カ月以内>

⑤で確定した財産のうち、マイナスの財産をプラスの財産の範囲内でのみ承継したい場合は「限定承認」、マイナスの財産ばかりであるケースは「相続放棄」をすることができます。

いずれも被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して、「限定承認」「相続放棄」の申述を相続があったことを知った日から3カ月以内にする必要がありますので、⑤の相続財産の確定作業と並行して行うことをオススメします。

~相続手続きの流れ⑦~準確定申告<期限は4カ月以内>

被相続人が生前に確定申告をしていた場合で、亡くなった時点で申告すべき所得がある場合は、相続があったことを知った日から4カ月以内に亡くなった人の最後の住所の納税地の税務署に対して、「準確定申告」をする必要があります。

~相続手続きの流れ⑧~遺産分割協議と遺産分割協議書の作成

相続人全員で、実際に誰がどのように相続財産を引き継ぐのかを決める手続き、いわゆる”話し合い”です。ポイントは2つで「相続人全員で協議を行うこと」、そして「結果を書面で残し、相続人全員の署名・捺印をすること」です。

遺産分割協議書については、決まった書式はありません。パソコンで作成しても、手書きでも大丈夫ですが、署名は手書きでするとよりよいかと思います。

なお、遺言書がある場合や相続人が1名のみの場合などは、遺産分割協議書の作成は必要ありません。

~相続手続きの流れ⑨~各種名義変更

~相続手続きの流れ⑨~各種名義変更

引き継ぐ相続人が決まったら、被相続人の名義になっているもの、つまり銀行の預貯金、証券会社の有価証券、不動産などを引き継ぐ相続人へ名義変更します。

~相続手続きの流れ⑩~相続税の支払い<期限は10カ月以内>

最後に、引き継いだ財産の金額に応じて、被相続人の最後の住所の納税地の税務署へ相続税の申告を行います。これは、相続があったことを知った日から10カ月以内に申告を行い、納税を行う必要があります。

これら①~⑩までの一連の作業を10カ月以内にする必要がある、これが相続手続きになります。相続人の数が多い場合や、相続人同士が近くに住んでいない場合などは、思っているよりも時間がかかるケースが多いため、できることから手を付けていくとよいと思います。

期限を過ぎてしまった場合は、財産を自由に処分できなくなったり、負債を相続してしまうケースもありますので注意が必要です。

相続手続きは代行に頼らず、自分でできるのか?

相続手続きは代行に頼らず、自分でできるのか?

ここまでで、大まかにどのような手続きがあるかを確認することができたと思います。

「これらの手続きを自分で行うことができるのか?」というご質問をよくお受けしますが、ご自身で最後まで行っていただくことも可能です!慣れない手続きが多く、時間がかかってしまうこともあると思いますが、ご自身で手続きをされる方もたくさんいらっしゃいます。

一方、「平日お仕事で忙しい方」や「海外にお住まいでなかなか日本に来ることができない方」、「手続きが煩雑すぎてわからない方」などは相続手続きを代行してもらうこともできます。

具体的には弁護士・司法書士・行政書士などの士業や、信託銀行などの大手金融機関などが相続手続きを代行してくれるサービスを行っています。(遺産整理業務といいます。)

相続手続き代行の費用

もちろん有料のサービスにはなり、一般的な相場としては、弁護士や司法書士などの場合は費用が30万円~、大手金融機関(信託銀行など)になると100万円~、というものもありますので注意が必要でしょう。

まとめ

相続手続きには、期限が設定されているものがたくさんあります。慣れない手続きも多く、最初は戸惑うことも多いかと思いますが、ご自身で手続きをされる方も多いですので、まずは手をつけられるところから始めてみてはいかがでしょうか?

また、遺産整理業務などの相続手続き代行サービスもありますので、どうしてもご自身だけでは無理!という場合は、弁護士や司法書士へ相談をしてみるといいかもしれませんね。

次回は相続手続きに必要な書類について、わかりやすく解説していきます。

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