投資信託には分配金という仕組みがあります。特に毎月分配型という投資信託も存在しており、毎月分配金を受け取れるもの存在しています。
それでは分配金とは、一体どのようなものでしょうか?
分配金の仕組みをしっかり理解しておかないと、効率よい投資が出来なくなる可能性もあります。そこで当記事では、投資信託における分配金の仕組みとその正しい扱い方について、わかりやすく解説をしていきます。
それではまいりましょう。
投資信託の分配金とは?
投資信託の分配金とは運用者の判断によって運用資金を、投資家の皆さんが保有する口数に応じて還元するお金のことです。
分かりやすく言えば運用によって得た収益などを、投資信託を購入している人に分配したお金ということになります。
分配金はいつ支払われる?
投資信託は一定期間ごとに決算があります。決算とは一定期間における損益額を計算することです。決算を行うタイミングや頻度は、あらかじめ投資信託ごとに決められており、一般的には毎月、半年、1年ごとという3パターンに分けられることが多いです。
そして分配金は決算ごとに分配することになっています。ですので投資信託の決算日がいつなのかによって分配金を受け取る時期が変わります。
分配金の金額は一定ではない
分配金は運用者の判断で決算時に支払うものです。
つまり、運用者が分配金をいくら支払うかは決算ごとに判断します。当たり前ですが分配金の金額は毎回同じ金額というわけではなく、決算ごとに増えることもあれば減ることもあります。
分配金なしの場合もある
分配金がなし、つまりゼロのケースもあります。毎月決算を行う毎月分配型のような商品は別ですが、株式で運用をしているような投資信託では、分配金が出ないケースもあり得るのです。
また分配金が出ないタイプの投資信託は、運用資金に組み込まれて運用されています。
分配金の仕組みと種類
それでは、分配金はどのような仕組みで支払われるのかを見ていきましょう。
分配金と預金・債券における利子との違い
預貯金や債券の利子は、投資元本とは別に一定金額が支払われます。
例えば投資元本が100万円、年に1万円の利子が支払われる債券の場合、利子1万円が支払われた後も投資元本は100万円のままです。
一方で、投資信託の分配金は投資元本から支払われます。つまり分配金が支払われると、「純資産総額」や「基準価額」は下がります。
ここが投資信託の「分配金」と、預金や債券の「利子」とは決定的に違う部分になります。
ちなみに最近でも根強く人気の投資信託に、「毎月分配型」のものがあります。
名前のとおりですが毎月決算を行い、その都度分配金を支払うタイプの投資信託です。
毎月分配金を受け取れるということを理由として、特に相対的に高めの分配金を出す投資信託が人気ですが・・・
ここまでの説明をきちんと理解できた方はもうお分かりですよね?
毎月支払われた分配金相当額、基準価額は下がるわけですから有利ではないということです。
それどころか、分配金相当額をそのまま投資信託の信託財産として運用されていれば、複利効果も取れたはずのところを逃してしまうため、投資効率の観点からは相対的に不利になる可能性が高いといえます。
分配金の種類は、普通分配金と元本払戻金(特別分配金)の2種類
分配金は普通分配金と元本払戻金(特別分配金)の2種類に分けることができます。それぞれの特徴は以下のようになります。
普通分配金
個別元本を上回る部分からの分配金のことです。分かりやすくいえば、利益が出ている分から分配金を受け取るイメージです。
元本払戻金(特別分配金)
個別元本を下回る部分からの分配金のことです。分かりやすくいえば、利益が出ていないにもかかわらず、分配金を受け取るイメージです。
名前の通り元本から払い戻しているため、分配後を受け取った後の個別元本は、分配金の額だけ減少します。
つまり、普通分配金であれば利益ということでよいのですが、元本払戻金はただ元本を切り崩して受け取っているだけのため利益ではありません。ですので普通分配金は課税されますが、元本払戻金は課税されません。
まとめ
投資信託の分配金の仕組みはご理解いただけましたでしょうか?
分配金は預金や債券の利子とは異なり、分配金の全てが利益というわけではありません。普通分配金なのか、元本払戻金なのかにより変わってきます。
また、毎月分配型の投資信託については、分配金を受け取ることで運用の複利効果を逃してしまうため、投資効率の観点からは相対的に不利になる可能性が高いとも言えます。
全ての分配型の投資信託をおすすめできないと言いませんが、分配型の投資信託を選ぶ際には、分配金の仕組みや効果をしっかりと考えて選ぶと良いでしょう。