「銀行にお金を預けない方がいい」は本当に正しいのか?

「銀行にお金を預けない方がいい」は本当に正しいのか?

資産形成や資産運用を多くの方に促す際に、「お金を銀行に預けていても増やすことはできないので、株式や債券、投資信託に投資しましょう」と言うのは証券会社等の決まり文句になっています。

たしかに現在の日本は超低金利時代が続いており、銀行預金の金利ではお金が増えていかないのは事実。しかしこれによって”貯蓄から投資へ”とお金が動いているかといえば微妙なところでしょう。

そこで今回は「お金は銀行に預けるな」は本当に正しいのかどうか、また正しいとしたらそう考える必要のある根本的な理由についてお話していきます。

銀行預金の金利でお金が増えていかないのは紛れもない事実

銀行預金の金利でお金が増えていかないのは紛れもない事実

あなたは現在、銀行の預金金利が年平均で何%くらいかご存知でしょうか?

あらかじめ断っておきますが、外貨ではなく円の預金です。

おおよそですが普通預金で年0.001%、定期預金(1年もの)でも年0.002%が相場です。

もちろん金利の自由化がなされてから、銀行各行が独自に自行の預金金利を設定していますので、これらを上回る金利をつけている預金もあります。

そこで仮に年0.002%の定期預金(1年もの)に100万円を預けたとしたら、1年後には元本の100万円に利子(税引き前)が20円ついて戻って来ることになります。

ちなみに現在預金金利の利子は20.315%源泉分離課税されますので、実際の手取りの利子は16円程度とわずかです。

参考にですが、定期預金(1年もの)の金利が最も高かったのが1991年で、この時には年6.00%でした。

この金利で同様に100万円預けたとしたら、1年後の利子(税引き前)は60,000円です。

先ほどの20円と比較して実に3,000倍もの利子がついていたということになりますね。

銀行によって異なるものの、現状の利息ですとATMの入出金手数料や振込手数料の方が大きくなり、トータルではコスト負けして損している場合もザラにあるはず。

あなたにも感覚的にはお分かりいただだけたでしょうが、銀行預金の金利でお金が増えていかないのは紛れもない事実です。

この点から考えれば、「お金は銀行に預けないほうがよい」は正しい側面もあるでしょう

なぜ銀行預金は”元本保証”で”低金利”なのか?

なぜ銀行預金は”元本保証”で”低金利”なのか?

元本保証とは、すべての運用期間にわたって元本割れしないことを保証していることで、また払出時に元本が満額支払われることを保証していることです。

それでは、この保証とは誰がするのでしょうか?

答えは預け先で、預金の場合は銀行が保証しています。

ですから、これらの預け先が破綻してしまった場合には、元本割れする可能性があるということです。

ただ、預金については預金保険制度でカバーされている部分があります。

預金保険制度とは銀行などの預金取扱金融機関が、預金保険料を預金保険機構に支払い、万が一金融機関が破綻した場合に本機構が、一定額の保険金を支払うことにより預金者を保護する仕組みのことです。

注意点としては、預金の種類によって預金保険で保護される範囲が異なるということです。

当座預金や無利息型普通預金等の決済性預金は全額保護、普通預金や定期預金等の一般預金は合算して元本1000万円までと破綻日までの利息等を保護となっています。

次に低金利についてざっくり説明すると、銀行などの預金取扱金融機関は預金者保護の観点から、預金を元本保証とするために預金保険料という一定のコストを支払っています。

当該コストが預金者であるあなたの利息に影響し、低金利に甘んじなければならない側面を生んでいるのが実情です。

「銀行にお金を預けない方がいい」はずなのに貯蓄から投資へ”とならない謎

「銀行にお金を預けない方がいい」はずなのに貯蓄から投資へ”とならない謎

ではお金を銀行預金に預けていても増えていかないのに、”貯蓄から投資へ”とお金がなかなか動いていかない理由はどこにあるのでしょうか?

その理由の1つは、多くの方が銀行預金を金融商品として捉えていないからです。

現金のまま保有することと銀行預金にお金を預けることは根本的に違います。

これが混同されやすいのは現金のまま保有することを「タンス預金」と形容するからでしょうか。

しかし、あなたが普通預金や定期預金といった銀行預金にお金を預けることは、銀行側にとっては預金者である皆さんからお金を借り入れていることになり、銀行はこの借り入れた預金を企業への貸出や国債等への運用に回しています。

この銀行側にとって預金は借り入れているお金であるということが重要で、だからこそ預金者の皆さんは預金金利に基づいて利子を受け取ることができるわけです。

この点から考えれば、銀行預金は金融機関が販売する商品としての金融商品に他なりません。

この銀行預金も金融商品の一つであると考えるか否かというのは雲泥の差が生じます。

これは銀行預金と株式や債券、投資信託といった他の金融商品を並列の選択肢として比較検討できるかどうかに繋がるからです。

そこで今回のお話を契機として「銀行預金は金融商品である」という正しい認識をお持ちいただければと思います。

もちろん銀行預金は預金保険法に基づいて、銀行各行ごとに元本1000万円とその利子は、たとえその銀行が破綻の憂き目にあっても保証されるというペイオフの対象です。

つまりペイオフがある点が、他の金融商品と並列にされづらい要因の一つであるともいえるでしょう。

政府や金融機関が喧伝しているからではなく、あくまでもご自身やご家族の資産をつくるため、増やすため、そして保全するためにこれからは、”貯蓄から資産形成へ”と移行するのが重要だと考えてみてはいかがでしょうか。

そして実際に行動するためにも、ファイナンシャルプランナーなどの金融の専門家に相談することも選択肢の一つとして検討してみてください。とはいえ信頼できる人がもし周りにいらっしゃらない場合は、私たちL!NX(リンクス)にいつでもお声かけくださいね。

 

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