「PER」と「PBR」とは?株価の割安性を見る2つの指標についてわかりやすく解説

株式投資の基本は「安く買って、高く売ること」です。とてもシンプルですね。これに少し言葉を足して具体的に書くと「会社の株を『安い時』に買って、『高い時』に売ること」となります。

これが出来れば株式投資はうまくいくわけですが、株価が「安い時」や「高い時」って、どう判断すれば良いのでしょうか?

家や車、その他食材でも洋服でもなんでも良いですが、実物がある商品の値段が「安い」とか「高い」というのは、人は感覚でわかります。でも「会社」という「人と人が集まって運営している組織」の値段が安いとか高いということを感覚的にわかる人っていませんよね。

そこで、株価が安いか高いかを判断できる基準を作ろう、ということで生み出されたのが、「PER」と「PBR」という指標です。

本記事では、ファンダメンタルズ分析の代表格である「PER」と「PBR」について詳しく見ていくこととしましょう。

「PER」と「PBR」を計算する上では、前回学んだ「EPS」と「BPS」という概念が大切になってきます。初心者の方は、まずはこちらの記事からご覧になってから先を読み進めてみてください!

(参考)「EPS」と「BPS」とは? ファンダメンタルズ分析の代表指標の計算方法について解説

「PER」と「PBR」のイメージを掴もう!

まずはイメージを掴んでもらいたいので、それぞれを手短にご説明します。

そもそも会社は、その会社が有している「収益力」と「資産」を足したものが企業価値とされています。

会社はお金儲けをするために作られるので、たくさんお金を稼げる会社は「価値が高い会社」となるわけです。ですから、お金を稼ぐ能力である収益力を判断する材料としてはその会社の「当期純利益」に着目します。そして、この「当期純利益」をベースに今の「株価」が高いのか安いのか計算してみよう、とする分析方法が「PER」です。

次に、会社が保有している「資産」に着目して株価の割安割高を判断しようというのが「PBR」という指標です。会社がお金を稼ぐためには資産を保有する必要が出てきます。

例えば、会社で自動車を作って販売しよう!と思ったら、自動車を作るための工場が必要になります。工場を作るためには大きな土地も必要になります。土地を買って、鉄板を切ったり曲げたりできる機械も買うから自動車を作ることができるのです。ですから、会社は土地や機械を保有することになります。その保有している土地の値段が1億円で、機械の値段が5,000万円だとすると、その会社は「1億5,000万円の資産を保有している」となるわけです。そして、その会社が保有している資産総額と比較して、会社自体の値段(=時価総額と言います)が高いのか安いのかがわかれば、株価が高いのか安いのか判断できる、としたのが「PBR」です。

それではイメージを掴んで頂いたところで、この2つを詳細に見ていきましょう。

PERとは

PERは、「株価収益率」=「Price Earnings Ratio」の頭文字をとってPERと呼んでいます。

会社の収益力を基準に、株価が高いのか安いのかを分析するための手法であり、PERを計算してみて数値が高い場合には株価は「割高」となり、数値が低い場合には「割安」となります。

PERの計算方法

PERの計算方法はとても簡単で、

PER(株価収益率)= 株価 ÷ 1株あたりの収益率(EPS)

で計算することができます。

(例)A社の株価3,000円、1株あたりの純利益250円の場合のPERを求めてみよう!

 3,000円 ÷ 250円 = 12 (倍)

よって、A社のPERは12倍になります。

PERは現在の株価が「一株あたりの純利益」の何倍であるか?を表す指標ですので、「倍」という単位で表します。

ちなみに、PERが12倍というのは、現在の株価は会社が1年間で稼ぐ純利益の12倍、つまり今の利益水準が続けば12年後に投資した金額を全額回収できる、という意味となります。

投資した金額が100万円だったとして、その100万円全額がもう一度手元に戻ってくるまでの期間は短い方が良いですよね。20年後に100万円戻ってくるより、5年後に戻ってくる方が嬉しいですから。

ですので、この「倍」で表される数字が小さい程、投資資金の回収が早く見込める有望な会社である、と投資家は判断できるので、会社の収益力から判断して現在の株価は「割安」である、と判断できるわけです。

PERは何倍が目安?

日本の証券市場では、PERが15倍程度で適正水準、10倍だと割安、20倍以上だと割高とされることが多いですが、その会社の業種やビジネスモデルによって判断は変わってきます。

PERは割高か割安かを判断する1つの指標ではありますが、PERだけに固執していると成長性のある高PERの株(グロース株といいます)は全て割高となり購入できなくなってしまいます。

あくまでも1つの指標程度に思っておくのが良いでしょう。

PBRとは

PBRは、「株価純資産倍率」=「Price Book-value Ratio」の頭文字をとってPBRと呼んでいます。

PBRは企業が保有する純資産(総資産から負債を差し引いた資産)を基準に、株価が高いのか安いのかを分析する手法です。PBRを計算してみて数値が高い場合には株価は「割高」となり、数値が低い場合には「割安」となります。

PBRの計算方法

PBRの計算方法はとても簡単です。

PBR(株価純資産倍率)= 株価 ÷ 1株あたりの純資産(BPS)

となります。

PBRは何倍が目安?

PBRを計算してみて「1倍」よりも高ければ株価は「割高」であり、低ければ「割安」と判断します。

先に学んだPERとの違いで抑えておきたい点は、PERはある意味では何倍が適正水準なのかという基準が存在しないのに対して、PBRは明確に「1倍」という基準に対して株価が割高か割安かを判断していくことになる、という点です。

例えば、10億円のダイヤがついている時計があったとします。その時計の値段っていくらですか?と質問されたら、誰もが「10億円のダイヤが付いているのだから、その時計は10億円です。」と答えますよね。

しかし、それが会社の場合だと10億円のダイヤを保有している会社なのに、会社自体の値段が8億円っていう状況になったりするのです。上場企業の株価というのは様々な経済的要因の変化や人々の感情の変化によって毎日変動していますので、会社が保有している資産よりも会社自体の株価が安くなってしまう場合があるのです。

この状況は「異常な状態」なわけです。10億円のダイヤが付いている時計が8億円なんてことはあり得ないわけですから。ですので、PBR1倍割れの会社というのは、今の異常な状態から将来的に正常な状態、つまり10億円の評価の会社に戻るであろう(今よりも株価は上がるだろう)、と予想し易くするための分析手法がPBRです。(その逆の場合は、PBRが高い株は割高だから購入を控える判断をしたり、既にPBRが高い株を保有している場合には売却を検討する材料にする、ということです。)

PBRは全ての会社に有効な指標ではない

PBRは、現在の株価は会社が保有する純資産に対して何倍であるか、ということを表す指標なので、現代では全ての会社に有効な指標ではありません。基本的に原材料を仕入れて商品を作って売る、という活動がメインだった昔とは違い、現代では物を一切保有せず大金を稼ぐ会社もたくさんあるからです。

どういうことかと言うと、例えばサービス業、特に経営コンサルティングや人材紹介を行なっているような会社は、物ではなく人の頭の中にある「知識」が会社の価値の源泉なので、会社にほとんど物体の資産が無い、という場合があります。IT企業もそうですよね。最近流行っている携帯用ゲームアプリを作っている会社って、会社にあるのは(会社が保有している資産は)机とパソコンだけで、パソコンでアプリを作って販売することだけで何百億円も売り上げを挙げているという会社もたくさんあります。

現代では「情報」が価値の源泉であるため、貸借対照表(B/S)には載らない「情報」自体をやりとりしたり、付加価値の高い情報提供をしたりすることで利益を上げている会社をPBRで分析しても、その会社の株価の割高割安を判断することはできないということです。

そういった意味では、「ひとつで完璧な分析手法は無い」という株価分析の基本を忘れずに、様々な情報を総合的に判断して購入もしくは売却する株を決めるということを忘れないでください。

まとめ

「PER」は「株価収益率」のことで、会社の収益力を基準に、株価が高いのか安いのかを分析するための手法、「PBR」は「株価純資産倍率」のことで、企業が保有する純資産(総資産から負債を差し引いた資産)を基準に、株価が高いのか安いのかを分析する手法となります。

これらの指標はどちらが重要で、どちらが優れているということではなく、様々な情報のうちの1つとして利用し、総合的な判断を行い、購入もしくは売却する株を決めるということが大切です。

次回はROEとROAについて見ていきましょう。

 

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