【FP目線で考える7】資産形成や資産運用における情報選択の必要性とは?

先日友人から、テレビで投資に関する話題を解説している内容のものがあったと連絡が来ました。どうやら解説している方はその手の方面では、有名な方だったようです。

非常に噛み砕いて説明をしていたとのことでしたが、一部テレビの画像を拝見したところ、報道番組としては情報の伝え方が間違っているのでは?と思うところもありました。

※解説していた方を否定しているわけではありません

このように、現代の情報社会では、情報が多すぎて戸惑うことも多いのではないでしょうか?何が正しいのかわかりづらく、間違っている情報すら、あたかも正しいかのように報道、そして拡散されがちです。

第7回は、そんな情報社会において、みなさんが正しい情報を選択できるように、どのようなポイントを見ればよいのかを見ていきましょう!

テレビや有名FP講師のセミナーも間違えている!?

その番組ではこのような画面がありました。

代表的な投資:株、投資信託、FX、NISA、iDeCo

この画面を見たとき、私は違和感しかなかったのです。同じようなもので、セミナーの募集ページにこう書かれていました。

「iDeCo、積立NISA、株、投資信託、不動産、自分に最適なものはどれ?」

これを見たときも、違和感がありました。どうやらこのセミナーはテレビで紹介されたこともあるのだとか?

みなさんはどこに違和感があるかわかりますか??

FXは投資ではなく投機!

最初に思ったのは、FXは“投資”ではなく”投機”、ということです。”投機”とは、 近い将来の価格判断を行い、価格変動によるリターンを予想してリスクを取る活動のことです。

FXは外国為替証拠金取引といい、 証拠金を元手に外国為替にレバレッジをかけて取引する商品です。

つまり、株式投資でいえば信用取引のような性質がある商品であり、投資ではなく投機的な側面が強い、リスクの高い商品と言えます。

なので、代表的な投資と言われると大きな括りはそうなのかもしれませんが、我々のような仕事をしている人間からすると違和感があるのです。ですが、これはまだ序の口です。

「NISA」と「iDeCo」は制度のお話

そして、最も違和感があるのは、株(報道番組なら株式と書いてほしかった!)や投資信託と並列して、そこに「NISA」と「iDeCo」が記載されていたことです。

そもそも、株式や投資信託は金融商品の名前、そして「NISA」や「iDeCo」は制度の名前です。ですから、「NISA」や「iDeCo」は投資そのものではなく、投資をする際に使う箱のことです。

NISAを使って株式投資をする、NISAを使って投資信託を購入する、と言えばわかりやすいでしょうか?

投資とは、金融資本を経済・経営活動を通じてリスクのある投資対象に投下することです。

つまり、「NISA」や「iDeCo」は制度の名前であり、投資ではないのです。

積立NISAではなく、正式名は「つみたてNISA」

よくSNSなんかで、個人投資家の方々が「つみたてNISA」をおすすめしています。

ですが、そこにはほとんど積立NISAと書かれているのです。

正式名は、「つみたてNISA」です。これはFP(ファイナンシャルプランナー)と名乗っている方もよく間違えています。特に証券分野のお仕事をしていない方に多いように思います。

意味は通じるからいいじゃないか!確かにそうなのですが、少なくともお金のプロと言われている人は間違えてはダメだろう、と思うのは私だけでしょうか?

こんな状態で2022年から高校の家庭科で投資信託などの授業が行われるというのですから、金融リテラシーの向上にはたくさんの壁がありそうです…。

細かい違いかもしれませんが、こういうところに情報選択のヒントがあったりするのではないかと私は思います。

資産とは何か?

また私がよく見る広告に以下のようなものがあります。

「サラリーマンもできる!月々5万円で1億円の資産を形成!」

ちなみに、月々5万円(年間60万円)、30年間積立投資を行い、利回り3%で複利運用をすると約2,940万円、年利回り5%で複利運用すると、約4,190万円になりますが…、1億円には到底届きません。ではこの資産とは何のことを示しているのか、考えたことはありますか?

資産とは流動資産・固定資産・棚卸資産全てを指す

資産とは貸借対照表(バランスシート(以下B/S))上で左側に示されるものです。

見たことがある方や、簿記の勉強をしたことのある方はわかると思いますが、そこには、流動資産・固定資産・棚卸資産と3つの資産が記載されています。

つまり、資産とはこれらの総称であり資産と言えば流動資産でも、固定資産でもよいということですね。

みなさんが思う資産とは、おそらく現金や株式のような金融資産です。これらは流動資産といい、一般的には、現金や有価証券のことを指します。

では固定資産とは何か?代表例は不動産です。

負債があっても資産は資産

B/Sでは左側が資産。では右側は?というと負債と純資産という項目になります。

つまり、

資産 = 負債 + 純資産

です。わかりやすく伝えると、負債は借入金。つまり借金です。

みなさんのイメージでは預金(資産)が1,000万円あって、借金(負債)が500万円あったら、差し引き(純資産)は500万円ですので、私の資産は500万円!となるかもしれませんね。

ですがB/S上、資産といえば預金の1,000万円なのです。これを考えると先の例は非常にわかりやすいです。

例えば、ローンを組んで不動産を買ったとします。すると、負債も増えますが、資産も増えますね。つまり1億円のローンを組んで、マンションを買えば、資産も1億円。あっという間に資産1億円の達成です。

ですので、あの文を詳細に解説するとこうなります。

「ローンを組んで、月々5万円の手出しをすることで、投資用マンションという1億円の資産を形成しましょう!」

です。どうですか?みなさんのイメージと一緒でしたか?

余談ですが、相続対策で借金をすればその瞬間に相続税対策になるので、アパート建てましょう!!と間違ったセールスがなされている理由もそこの勘違いからあるものと思っています。よくB/Sを見てみてみると、カラクリがわかると思います。このお話はまた別の機会に。

不動産投資が悪いというわけではない!

ちなみに、誤解なきようにお伝えすると、私は不動産投資が悪いといっているわけではありません。レバレッジを効かせた立派な投資手法の1つだと思います。チャレンジできる方は、どんどんチャレンジしていただきたいとも思っています。

しかし、上記のような伝え方をしているのはどうかと思うのです。こういうことも情報選択をする上で、気にしてみるといいと思います。

まとめ

今回は2つのケースを見てみました。これらは私が日常的によく見る、間違っている、もしくは誤解を与えるような表現が使われている情報です。

ですが、SNSなどの発展によりこれらの情報がどんどん拡散されていった結果、みなさんはその情報が正しいと勘違いしてしまうケースかと思います。

本当はもう1つ同じようなことで、お話ししたいことがあるのですが、それは別の機会にしましょう。

それでは、また次回!

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